
営業ヒアリングのコツ・基本的な流れと進め方
あなたは営業になったもののどうすれば売上があがるのか悩んでおられるはずです。きっと、ヒアリングが大切なのだろうと思っておられますよね。
「ヒアリングってどうやるの?」「ヒアリングの流れは?」「ヒアリングのコツを知りたい!」
あなたは会社員として今まで勤めてきて営業としてのヒアリングの方法を学ぶことがなかったのですから、わからなくて当然です。
トップセールスの多くはヒアリング力をもっています。はじめはキホンから学び、徐々に身につけていくもの。
本記事でヒアリングのコツを学んでみてください。
- 営業ヒアリングの重要性とは?
- 営業ヒアリングのフレームワーク
- 営業ヒアリングの進め方・注意点
- ヒアリングの質問項目・テンプレートとは
- ヒアリングの基本的な流れとは?
- 営業ヒアリング力を高めるゲーム
- 営業ヒアリング力を高めるトレーニング
記事を読み終えると、あなたは明日からの営業で実践してみたくなるはずです。
営業ヒアリングの重要性とは?
営業ヒアリングの基本的な流れとは?
なぜ営業マンにヒアリング力が必要なのでしょうか?営業の基本的な流れを見るとよくわかります。
- ステップ1 雑談・アイスブレイク
- ステップ2 信頼関係を築く
- ステップ3 ニーズを把握する
- ステップ4 商品・サービスの提案
- ステップ5 クロージング
ステップ1~4にいたるまで、ヒアリングは必須といってもいいほど。ヒアリングがないと、どのようなステップになるでしょう。
- ステップ1 商品・サービスの提案
- ステップ2 クロージング
ヒアリングがないとかなりムリがありますね。あなたは会ってすぐ、商品サービスを提案してくる営業マンについて、どう思いますか?不愉快ですよね。カーディーラーにあなたが行ったとして、会ってすぐ「今オススメの車種は、この車がこちらの車です。」と売り込まれても、「あっ、そうですか。」くらいにしか思いません。心に響かないのです。
なぜ心に響かないのでしょうか?あなたの話を聞いてもらっていないからです。お客様も同じで、自分の話を聞いてもらいたいと思っていることを、忘れてはいけません。営業マンがじっくり耳を傾けてくれれば安心するのです。
恋愛にたとえてみましょう。あなたが一目惚れした相手に、会った当日に告白したとします。相手はどう思うでしょうか?「私のことを知らないくせに、どういう気持ちで言っているのだろう。」「付き合えるわけがない。」と思うのです。相手のことを知りもしないのに、内面的なことを知らないのに、いくら告白しても受け入れてくれるわけがありません。営業も恋愛と同じなのです。
ヒアリングのメリットとは?
ヒアリングとは一体、どのようなことを指すのでしょうか?一般的には、お客様の現状や問題を聞いたり、部下の仕事の状況を聞いたりすることですね。ヒアリングシートをもって一つひとつ聞く光景が、思い浮かべられます。ヒアリングシートをつかって、一つひとつ聞いていく方法はどのようなメリットがあるのでしょうか?代表的なものを5つあげました。
- 抜け漏れなく聞くべき項目を網羅できる。
- あらかじめ質問項目を検討・準備できる。
- 話がそれても軌道修正できる。
- 一度ヒアリングシート作ったら使い回せる。
- 相手によって聞く項目を使い分けられる。
ヒアリングシートがないと聞きたいことを忘れたり、相手の話主体で本質から外れてしまいかねません。
なぜヒアリング力の向上が必要か?
ヒアリング力の向上は、なぜ必要なのでしょうか?トップセールスは何度もロープレでトレーニングして、一流の営業マンになります。私もロープレでトレーニングした一人ですのでよくわかります。ヒアリング力は一瞬で身に付けられるものではありません。的確に質問して、相手の話をしっかり受け止める訓練が必要なのです。営業マンはお互いに、お客様・営業マンを交互に配役し、何度も練習し指導者からアドバイスをもらい、やっと身に付くもの。
座学で30分講師の話を聞いただけで、ヒアリング力は身に付かないのです。しかし、営業未経験の方でも練習すればするほど、ヒアリング力は身についていきます。よくある失敗は「お客様で練習してしまうこと」。大切なお客様との商談は、本番であって練習ではありません。職場の同僚と練習するのが、一つの方法です。ヒアリング力の向上は営業成績アップに不可欠といえるでしょう。
あなたは社会人基礎力という言葉をご存知でしょうか?経済産業省が主催した有識者会議で、職場や社会でさまざまな人々と仕事をするために必要な基礎的な力を「社会人基礎力」として定義しました。チームで働く力のなかに、傾聴力・情況把握力とあります。商談における傾聴とは顧客の気持ちに寄り添って理解しようと聞く姿勢を指します。情況把握とは、顧客が置かれている背景や条件付けがどのようになされているのか具体的に把握することと捉えるとよいでしょう。ヒアリングは社会人にとっても必須のスキルといえます。
営業ヒアリングのフレームワーク
トップセールスが実践している営業ヒアリングのフレームワークを見ていきましょう。
聞く8割・話す2割
あなたは営業でお客様と話す機会について、何%対何%くらいでしょうか?私の元上司はしゃべりっぱなしの営業マンで、話す8割・聞く2割で強引な営業手法でした。できれば、聞く8割・話す2割を一つの目安にしましょう。
あなたはヒアリングが営業やコミュニケーションにとって必要と思っているはず。話してばかりだと、まったく話を聞かない人の烙印を押されてしまいますよね。
「営業マンは主導権を握りたいから話しまくるものだ」と思い込んでいる人もいるでしょう。主導権を握っているのは聞いている側なのです。「聞いているだけで、なぜ主導権を握れるの?」と思う方もおられますよね。質問する側が次の話の展開を方向づけているからです。ある営業マンの失敗例を見てみましょう。
大手化粧品会社の役員との商談で、彼は40分間ずっと説明を続けました。説明し終えたあと、役員から「我が社の考えているプランは君のプランより長期的な話なんだ。」と断られました。合計1時間しかない商談の8割が無駄な説明だったのです。必死で説明したものの、一切役員の心には届かなかった。聞く側は話を広げたり、時間軸を行き来したり、質問によってコントロールできるにもかかわらず。
もちろん、聞く側にはスキルが必要ですね。代表的なスキルはミラーリング。ミラーリングとは、お客様のしぐさ・動作をマネすること。同じしぐさ・動作をしている人に仲間意識を持ちやすいからです。
- お客様が腕を組んだら、自分も腕をそっと組んでみる。
- お客様が髪の毛をかきあげたら、自分の髪の毛に手をそえてみる。
- お客様が前かがみになったら、自分はやや前傾姿勢にする。
- お客様が背もたれにもたれたら、自分も背もたれに背中を近づける。
- お客様が斜めに体を傾けたら、自分もやや斜めに大勢を変える。
- お客様があごに手をあてたら、自分もあごに手をそえてみる。
などです。
スポーツの世界ではユニフォームがチームごとにありますよね。世代性別価値観が違っても同じユニフォームを着ることで仲間意識が芽生えます。ミラーリングと同じなのです。
注意する必要があるのは、お客様とまったく同じ動きにしないこと。お客様の動作と、あなたがまったく同じ動作だと、「私のマネをしている。」「気分がよくない。」と思われかねません。お客様に近い動作を、さりげなくやる程度にしておきましょう。
ミラーリングのテクニックを使うことで、聞く8割であっても、手持ち無沙汰になりにくいでしょう。聞く8割・話す2割を意識してみましょうね。
オウム返し・バックトラッキング
代表的なヒアリングのテクニックに「オウム返し」があります。「オウム返し」とは相手の言葉を伝え返すこと。たとえば次のようにです。
- 相手「試着室に入ったらズボンが入らなくて。」
- あなた「試着室でズボンが入らなかったのですね。」
- 相手「そうなんです若い時はスリムだったのに。」
- あなた「なるほど、若い時は。」
- 相手「年を取ると運動もしなくなりましたしね。」
- あなた「運動しなくなったんですね。」
- 相手「太ったままだといけないなと思っているんです。」
- あなた「太ったままではいけないと。」
- 相手「ジムにでも行ってみます。話を聞いてくれてありがとうございました」
相手の話を伝え返しているだけなのに、相手がどんどん思考を進めていく様子がわかりますね。相手がいうことのなかで趣旨を伝え返す。とくに気持ちを伝え返すと、相手は「わかってくれた」と感じやすくなります。
間違っても一語一句すべてをコピーしたように、伝え返すのは控えましょう。私の知人の会社では、まるまる同じ言葉を伝え返す研修が行われていました。知人が研修後、現場に出て実践してみると、お客様に首をかしげられるような違和感が多々あったそうです。オウム返しを使う時はくれぐれも気をつけましょう。
ペーシング:営業マンが話すはやさ・考えるはやさで進めない。
あなたはお客様の話すスピード・考えるはやさで会話していますか?ヒアリング力の向上にはお客様が話すペース・考えるペースにあわせて会話することが大切。他人が話す速すぎる調子では話しにくかったり、考えが追いつかなかったりするからです。
24時間テレビのチャリティマラソンを見たことはありますか?マラソンランナーは人気の俳優やタレントさんが挑戦していますね。24時間走り続けるマラソンランナー。沿道で応援してくれるファンのありがたい声を感じながらも走り続けるのは過酷な道のりです。長時間走っていれば、喉がかれてきたり、お腹も空く。眠たくもなるでしょう。
ランナーのかたわらにはペースを管理するコーチがついているのです。一緒に走り、一緒に休み、また走る。マラソンランナーは孤独な戦いです。一緒に伴走してくれるコーチがいるから、走り続けられる。コーチが早すぎるペースで走れば、マラソンランナーは走り続けられませんよね。旦那のペースを見て速さを合わせて、ゴールに向かって調節していくのです。
営業も同じでマラソンランナーはお客様、営業マンは伴走するコーチです。ペースを合わせて会話するテクニックをペーシングとよびます。ペーシングを具体的に表現すると次のとおりです。
- お客様がゆっくり話すのなら、営業マンもゆっくり話す。
- お客様がとんとん拍子に話すなら、営業マンもトントン拍子に早めに話す。
- お客様がじっくり考えている時は、営業マンもじっくり待つ。
- お客さまが契約作業を早く進めたいなら、営業マンも端的話して進める。
すると、「この営業マンは私と相性がいい」とお客様は無意識に感じて、「よい営業マンだ。」と思うようになるのです。商談は、お客様のための時間であり、お客様のための空間であることを意識しておくとよいでしょう。
あなたはジョハリの窓をご存知でしょうか?顧客の胸のうちに下記の4つの窓があるととらえてください。あなたは営業マンです。1の開放の窓はあなたも顧客もわかっている情報。2は顧客自身がわかっておらず、営業マンがわかっている情報、この部分は顧客に教えてあげられるアドバイスといえます。3の秘密の窓は、顧客はわかっているけれど、あなたはわかっていない情報で、この部分をしっかり聞いていくことで顧客は「よくぞ聞いてくれた」となるのです。最後は4の未知の窓、顧客自身もあなたにも見えていない情報、商談で未知の窓の情報を聞くことこそ、顧客の解決策を見出すカギとなります。
1を大きくするためには、問題を多くの人に伝えること(1が増え、3が減る)と問題について人々の声を聴くこと(1が増え、2が減る)と、が必要です
出典:独立行政法人経済産業研究所 政策とコミュニケーション ジョハリの窓を参考に作成
ヒアリングで意識するコツ「いま・ここ」
ヒアリングで意識する大切なコツに「いま・ここ」があります。「何のことですか?さっぱりわかりません。」という声が聞こえますね。「いま・ここ」とは相手が今ここにどのような気持ちでいるのか聞き手が理解しようとする、という意味です。
「営業とどのように関係するのか?」と思った方もおられますよね。たとえば、過去に試着室でズボンのボタンを閉められなかった人がいるとします。当時は「太ってしまった。」としか思っていなかったとしても、いまあらためて思い返すと「やせなきゃいけないな」と思ったりするのです。やせたいと思うと、「どうすればダイエットできるのか」と考え始める。書店で本を買ったり、ジムに入会して月謝を払ったりと、購買行動に移る。では、購買行動を起こすきっかけは何でしたか?そう、「やせなきゃいけないな」という今の気持ちです。
「いま・ここ」の気持ちを聞けなければ、問題にフタをしたままになってしまう。ですから「いま・ここ」は大切なのです。
質問で誘導しない
あなたは質問で自分のもって行きたい方向へ、誘導したことはありませんか?質問で誘導しようとすると失敗してしまいます。お客様は「意図があって聞いているな。」と感じ、嫌がられてしまうからです。
あなたが家電量販店にエアコンを見に行く場面を、想像してみてください。
- 店員「今日は何かお探しですか?エアコンのききが悪くなったとかでしょうか?」
- あなた「いえ。引っ越ししたのでエアコンを見に来ました。」
- 店員「そうでしたか。この時期、湿気って気になりがちですよね。自動で湿度を調節してくれるエアコンがあるんですよ。」
- あなた「ほう。湿気は気にしていませんが。」
- 店員「賢いエアコンが出てきていまして、AIで人の気配を感知するのがあるんです。見てみます?」
- あなた「高そうなので。。そこまでお金もありませんし。」
店員が狙って質問や話題を投げかけても、お客様のニーズから外れると会話になりません。「この店員さん、うっとうしいな。」と、距離を取られてしまいます。
質問はあくまでもお客様が話すきっかけ。お客様自身がどのような気持ちでいるのかを引き出すカギ。質問で誘導しないことが大切なのです。
押せば引かれる、引けば出てくる。
あなたは営業で「お客様にセールストークで押せば売れる。」と思っていませんか?営業トークで押せば押すほどお客様は引いていくもの。押し売りされているようでは気持ちがよくないからです。
押すことよりも、引くことがポイント。押せば引かれてしまい、引けば出てきてくれる。お客様の話をじっくりと引き出すのです。
あなたが湖に1枚の葉っぱを浮かせたいのなら、どのようにしますか?そっとゆっくり波風が立たないように、やさしく葉っぱを湖面に置くはず。葉っぱを丸めて、勢いよく投げたりしませんよね。
生後まもない赤ちゃんを見守るときは、どうでしょうか?赤ちゃんが見えるところでいて、よちよち歩くのをじっと見守りますよね。危険が迫ればすぐに手を差し伸べられる距離で見守るはずです。
同じように、じっくりとお客様に寄り添うことが大切なのです。そのためにも押さず引いてみる。「引く」とはじっくり待ってみること。お客様の言葉を待てば、自然とお客様は言葉を発します。お客様の発した言葉に反応する。繰り返しの中で、お客様の話しやすい空間がどんどん生まれてきます。
ある営業マンの事例をご紹介しましょう。彼が営業訪問に行った企業で、役員に会い開口一番、次のように言われました。
「この商品には懸念していることがあるんだ。」
すぐさま反論してしまえば思うツボ、失敗するパターンにハマってしまいますよね。その営業マンは自分の中から出てくる「反論したい気持ち」をグッと抑えて、「どのような懸念なのか」じっくり聞きました。聞いていくなかで、誤解であると感じた営業マンはさらにじっくり聞いて、役員の想いを吐き出させたのです。
話し終えてから、ようやく誤解である理由や実例を伝え、安心してもらえたのでした。押さずに引くことがキモだったのです。
IIJで営業マンとして活躍している岡田氏、顧客から質問されても「持ち帰ります」とはいわないのだそう。何も回答しないのであれば顧客から常に相談される立場にならないとの考えだから。自分なりの考えをつたえている。日頃からの関係づくりと何より納得できるまでとことん聞いている姿勢のたまもの。岡田氏は「答えはお客さんが持っている」と語る。
納得できるまで顧客に聞く姿勢だ。曖昧なヒアリングでは、顧客が本当に望むことはみえない。
出典:2021/11/16 日経産業新聞 15ページ インターネットイニシアティブ岡田拓也さん――最初の電話かかる関係に、急成長の法人サービス(売れる営業)
判断させようとしない
あなたは営業の商談でお客様に「契約を今すぐ決めましょう。」とせまっていませんか?お客様は心の中で次のように感じています。
- 営業マンを信頼していいのだろうか。
- 会社は信用がおけるのか。
- 商品は間違いないか。
- 購入後のサポートはしっかりしているか。
心の中が揺れ動いているのです。迷っている中で背中をグイグイ押されても前に進めません。そう、判断させようとしないことです。
お客様が契約を決める行為は投資の判断を下す、つまりリスクを取ることになります。冷静に判断したい人もいる。社内の誰かに確認したい人もいる。自分の状況を営業マンがわかってくれているかと、不安に感じるお客様もいる。ですから、話をとことん最後まで聴くのです。
テクニックとしては「。」まで聞くこと。お客様の話しが「。」で終わるまで、じっと待ってみるのです。まるでお客様の話しを味わうかのように。
ヒアリングを学べる映画をご紹介します。1994年に公開された大ヒット映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」をご存知でしょうか?監督はロバート・ゼメキス、主演はトム・ハンクス。主人公のフォレストは知能指数は高くはないけれど、純粋な心をもった青年。足がはやいことが評価され、フットボールの全米代表に。親友との約束を果たすためエビ漁船で起業し大成功。映画の冒頭にベンチに座って語るフォレスト。波瀾万丈の半生を振り返るように物語は続いていきます。ヒアリングのヒントがつかめるのは1時間40分から43分のたった3分間。ご高齢の婦人がフォレストの話に耳を傾けるシーンです。じっくりとやさしい雰囲気で聴く姿は愛情さえ感じるほど。勉強になりますよ。
ある営業マンは企業訪問で、お客様の過去のエピソードを3時間聞き続けました。じっくり聞いて最後にそっと背中を押してあげただけで契約が決まったそうです。両肩をドンッと押すのではなく、肩をふんわりと押す程度だったといいます。お客様に詰め寄るのではなく、そっと触れムリに判断させようとしないことが秘訣です。
営業ヒアリングの進め方・注意点
営業ヒアリングの進め方で注意するべきポイントを例文をつかってランキング形式で見ていきましょう。
3位:ヒアリングを一問一答にしない
ペンネームすぐるさんからの質問です。「ヒアリングがどうしても一問一答になってしまいます。会話がうまく続きません。コツや秘訣をお教えください。」
質問ありがとうございます。ヒアリングを実践しようとしている姿が素晴らしいですね。一問一答のやり取りは、次のようなイメージでしょうか。
- 営業マン「現在のサービスは、使い勝手で困っておられませんか?」
- お客様「あんまり困っていないね。」
- 営業マン「使いにくいっていう話も聞くのですが、使いづらさはないですか?」
- お客様「使いにくいことあるにはあるね。」
- 営業マン「購入直後のサポートがないって、よく聞くのですがその辺りですか?」
- お客様「そこはそれほど問題じゃないね。」
- 営業マン「そうですか。(のらりくらりと、かわされてしまったなあ。)」
営業マンはどのような改善点があるでしょうか?そうです、質問の仕方がクローズドクエスチョンばかりなのです。クローズドクエスチョンとは、限定した回答が得やすい質問のこと。「はい・いいえ」で返って来やすいのです。
オープンクエスチョンとは拡大型質問で、お客様に自由に話してもらいやすい質問のこと。会話ではクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを、使いながら進めていくのです。
ニーズを知りたい場合であれば、オープンクエスチョンで自由に答えてもらいましょう。お客様が話したことについて、理由や具体的内容を掘り下げて聞いてみましょう。職務質問の尋問のように、追い込んでいくような聞き方にならないように、気をつけましょうね。
実は、私は過去に尋問のようにお客様に聞いていたことがありました。ヒアリングシートに書いた項目を端から端まですべて聞いていたのです。いま思えば、すべての項目を聞くことが目的になっていたなと、反省しています。
すぐるさん、参考にしてみてくださいね。
2位:先回りして想像しない
ヒアリングでことごとく失敗する原因の代表格は先回りして想像すること。お客様の話に対して営業マンが先回りして頭の中のイメージが膨らんでしまうと失敗します。
ペーシングを思い出してください。お客様の話す速さ考える速さに合わせることが大切でしたよね。
タレントのタモリさんは長年お昼の帯番組「笑っていいとも」の司会を務めておられました。おなじみなのは、テレフォンショッキングという、タレントさんとタモリさんの二人でトークするコーナー。タレントさんのどのような話でもタモリさんは動じることなく、先回りすることなく、対応していました。先回りして話を進めてスベったり、急いで話すこともありませんでした。先回りしないとは、まさにこのことです。
車の運転に例えてみましょう。アクセルを多くの営業マンは踏みがちです。オートマチック運転の場合、何もしなくても車はゆっくり進んでいきますよね。この感覚なのです。
会話でたとえてみると次のようなイメージです。
- Aさん「海外旅行に行きたいな。」
- Bさん「海外いいよね。グアムとかサイパンとか海が綺麗でいいらしいよ。」
- Aさん「海よりアートに興味があるのよ。」
- Bさん「アートならイタリアのルーブル美術館とかいいよね。」
Bさんは先回りして想像を膨らませて話していますね。友人との雑談なら構いません。しかし、商談では通用しないのです。関係性が作れていない相手との会話のちぐはぐ感は、違和感にしかならないからです。先回りして想像することは落とし穴ともいえますね。
1位:最初に商品説明をしない
あなたは「さっそく説明してもらえますか?」とお客様にいわれて、説明をはじめますか?「お客様から説明してほしい。」といわれたのだから当然説明しますよという方もいるでしょう。しかし、それが間違いなのです。
お客様の現状・課題がわからないままの状況で、説明してもお客様に何も響かないからです。説明は端的に伝えるだけにして、じっくりヒアリングしたあと改めて説明するとよいでしょう。
たとえば、上司が部下にメール1本で指示したら、部下は素直に従うでしょうか?部下は別に抱えているプロジェクトで精一杯かもしれない。反発されてしまう可能性がありますよね。
もうおわかりですね。上司と部下とのやりとりでも同じことがいえるのです。いきなり指示をしないのと同じで、いきなり商品説明をしないことが大切なのです。
下記の記事でとりあげられた家電の営業マンは、特定した地域の巡回シートをつくり、営業効率をあげて地元の家庭を1件ずつまわりヒアリングし、最終的に執行役員まで昇格したそうです。地道に活動する営業マンが出世していく様子は素敵だなと感じます。
当時は訪問販売が主流でトップ営業マンも特定の顧客に支えられていました。特定の顧客ということは未開拓の取りこぼしがたくさんあるのです。そこで事前に地域を定め「テレビや冷蔵庫、家電の利用状況を各家庭にヒアリングしてこい」と指示しました。まずは顔見知りとなり、買い替え時期を見計らい、再び営業するのです。
出典:2021/12/14 日経産業新聞 15ページ 若者よ大志を抱け(23)大坂塾塾長大坂靖彦氏――社員の私的な問題も解決(仕事人秘録)
ヒアリングの質問項目・テンプレートとは
「ヒアリングでどのような質問をすればよいか」と戸惑う方もおられるでしょう。質問項目のテンプレートを例文にして、まとめましたので参考にしてくださいね。
現状・現在の状況を聞く
- 他社の商品・サービスを導入しておられますか?
- 導入された経緯についてお教えいただけますか?
- 使い勝手についてはいかがでしょうか?
課題を聞く
- お使いのサービスについて不満な点はいかがですか?
- 具体的にどのようなことが課題なのでしょうか?
- 最も優先したい課題についてはいかがですか?
解決のメリットを聞く
- 課題が解決するとどのようなメリットが得られるでしょうか?
- お客様ご自身が得られるメリットについてはいかがでしょうか?
- メリットについてどのように価値を感じておられますか?
解決しないデメリットを聞く
- 解決しなければ、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
- 解決しなければ、どのようなことが想定されますか?
- デメリットについては、どのようにお考えでしょうか?
決裁者を聞く
- どなたが決裁権をおもちなのでしょうか?
- 決裁に至るまで、障害は考えられますか?
- 何か私が協力できることはございますか?
必要性を聞く
- なぜ必要なのでしょうか?
- 必要性をどのように理解していただいていますか?
- 導入しなくてもいいのではないでしょうか?
時期を聞く
- どのくらいの期間で検討されますでしょうか?
- 決定時期はいつごろになりそうでしょうか?
- お支払の時期はいつごろでしょうか?
予算を聞く
- 予算感はどのくらいでお考えですか?
- 予算を稟議に通す際の流れはいかがでしょうか?
- 予算を通すうえで障害になりそうなことはございますか?
ヒアリングシートに頼りすぎないことも、おさえておきましょう。双日のある社員は入社1年目で現場の営業責任者に。商業施設の改革を担った。マスコットキャラクターの着ぐるみをかぶって、施設内を歩き回り、顧客の声を直接はだで感じ取ったそうです。スーツで歩くよりも、顧客との距離が近く、導線や顧客が施設をどのように楽しんでいるかを実感できるのだそう。
集客が順調な店舗、不調な店舗は何が違うのか。それぞれの店舗に足しげく通い、商品への顧客の反応などヒアリングを欠かさなかった。テナントごとの日別の売上高、レジ客数などをエクセルで集計した。データとにらみ合う日々を続け、どうすれば売り上げが伸びるのか各店舗とともに考えた。
出典:2022/06/06 日経産業新聞 15ページ 現場の空気肌で感じる 双日 耜田誠高さん 商業施設のバリューアップ事業 改善提案関係者の目線で(売れる営業)
ヒアリングの基本的な流れとは?
雑談で使える楽しい話題をストック
トップセールスは日頃から雑談ネタや話題を収集しています。とっさに話題に使えて場が和むからです。付箋に書いたり、手帳に書き込んだり、スマホにメモしたり。ストックしておけば、ここぞという場面で活躍してくれます。
「ネタを集めるのは大変。」と思うかたもおられますよね。話しの時間軸を変える・横展開することで話題が広げやすくなります。
- 過去に振る「もともとはどうだったのですか?」
- 未来に振る「そのままだとどうなりますか?」
- 横展開する「こんな場合ってどうなんですか?」
明日からすぐに使えるワザなので、試してみてくださいね。
事前準備・相手の立場に立って考える
お客様と話す前に、お客様の立場に立って考えてみましょう。営業マンの視点ではなく、お客様視点にたつと見えてくるものがあるからです。事前準備で書き出してみるのが効果的です。
- 過去どのような状況だったのか?
- 現在の状況はどうなのか?
- 未来はどのようになりたいのか?
仮説を立てることでお客様との会話がはずみやすくなります。仮説どおりの実態ではなくても構いません。お客様からすると「想定してきてくれた。」「準備をしっかりしてくれた。」という感覚になり、自然と感謝に変わっていくものです。
ヒアリングで効果的な例文とは?
ヒアリングについて話すと「結局、どのような言葉や例文が効果的なのですか?」と聞かれます。知りたい気持ちはよくわかります。しかし、ヒアリングに大切なのは、どこまでも相手の心を理解しようとすること。テクニック重視ではなく心が大切なのです。
- どのような思いで今おられるのだろう?
- なぜそのように考えるのだろう?
- そのように考えるに至った経緯は何だろう?
相手の心に寄り添ってどこまでも心に向かって理解しようと、さまざまな角度から会話して行くのです。
- あなたはどのように聞かれると本音を話したくなりますか?
- あなたはどのような人から聞かれると本音を話したくなりますか?
- あなたはどのようなあいづちをうってくれる人に本音を話しますか?
答えはそこにあるのです。
とはいえ、大切なフレーズがあります。
- 「話しやすいところから、お話ください。」
- 「思っておられることをお話ください。」
- 「〇〇なお気持ちであると伝わってきました。」
などです。
思い込みや偏った見方をしないようにしましょうね。雨が降って喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいます。畑の作物にとっては恵みの雨でも、野球の試合が雨天中止になれば悲しみの雨になりますね。
相手が話しやすい雰囲気で、相手のことを想って「聞かせていただく」つもりで聞いていきましょう。
リクルート求人広告営業ののち、Jリーグ5代目チェアマンを務めた村井満氏は、うわべで聞いても本音はわからないと語る。実は、と吐露するように胸のうちの本音を話してもらうことが、営業にとって必要なことといえるでしょう。「売りたい」といういやらしさはなく、本心で顧客のことを思って聞いていなければ、本音は話してもらえないのです。
人にヒアリングする時、うわべで話を聞いても「本音」を知ることはできない。個々人に寄り添いながら心のひだに触れ、「実は」という言葉が出てくるまで聴くことが、マネジメントや事業変革の起点になると学んだ。
出典:2022/06/17 日経産業新聞 16ページ 主観と客観の両面で語る インターウォーズ社長 吉井信隆(Smart Times)
相手の気持ちを敏感に感じ取る
相手の気持ちを敏感に感じ取るのはトップセールスの特徴です。気持ちをわかってもらえることで「自分のことをわかってくれている」と安心し好意をもつからです。「悩んでいる」「ツラい」など気持ちを他人にわかってもらえるとうれしいですよね。
知人が通う病院でのエピソードをご紹介します。体調が悪く、知人が患者として診察をうけにいったときの話です。
- 患者「このところ微熱が続いていまして。」
- 医師A「かぜですね。お薬出しときますから。お大事に。」
- 患者「は、はい。」
ずいぶんそっけない医師だったそうです。それ以降はその医師の診察を受けたくなくなったので別の病院を受診しました。
- 医師B「どうされました?」
- 患者「このところ微熱が続いていまして。」
- 医師B「何か思い当たることは?」
- 患者「ぎっくり腰をやってしまって、普段どおりの生活がままならなくて。」
- 医師B「それは大変でしたね。症状は他にもありますか?」
- 患者「のども痛いんです。」
医師と患者のやりとりは営業マンとお客様のやりとりとよく似ています。営業マンが医師、患者さんがお客様にたとえられます。あなたが医療機関で受診するときも、お客様視点で医師と会話してみると気づくことがあるでしょう。
お客様の気持ちを察して敏感になること。実践してみましょう。
地域共創的なイノベーションにおけるヒアリングに関する論文をご紹介します。町や市の意見を求めたり、合意形成するためのヒアリングは非常に難儀。同時に重要性も感じます。当事者(営業の場合は顧客)であるがゆえになかなか自身では言語化できておらず、真意を伝えられず困惑しているもの。論文ではジレンマ(しがらみ)についても解説。たとえば、誘導して合意形成するのか、方向性は見えるが具体的ではない場合にどうするのか、現状に詳しい人と詳しくないが革新的な人の意見をどう活用するかなど。本論文のなかの次の文章はヒアリングについての本質をついていると感じます。
聞きたいものほど聞くことが難しい、と聞く側が思っているとき、言う側も、言いたいことほど言えていない、と思っている可能性が高い。当事者は当事者であるがゆえにすべての要望や意見を言語化できており、足りないものは調査の機会だけなのだろう、と見て取ったとき、あるいは、調査主体を透明な存在と見なして、当事者は調査に際して純粋に思うところを吐露できる、と見て取ったとき、調査主体は、思わぬ落とし穴に陥る。
出典:広島修大論集 第55巻 第1号 地域イノベーションを促進する協創的ヒアリング手法の研究 田坂逸朗
相手を否定しない
相手に自分の話を聞かせたいと思ったことはありませんか?相手を聞く姿勢にするにはどうすればよいのでしょうか?答えは「相手を否定しないこと」。自分の意見が否定されると嫌な気分になりますよね。肯定されると、相手に好意をもつものです。お客様がどのような話をしても、否定せずに聞いてみるのです。
「徹子の部屋」で有名な黒柳徹子さんをご存知でしょうか?ゲストをむかえてトークする番組です。黒柳さんはゲストがどのような話をしても「あらそう。」「おかしいわね。」と楽しそうに聞いておられます。「そんなことないでしょ。」などと、否定することは見たことがありません。
相手を否定せず聞いていくと、相手は好意をもち、自然とこちらの話しを聞いてくれるようになるのです。
わかりやすい言葉・表現で話す
あなたはお客様との会話で、いきなり専門用語や横文字で話していませんか?お客様は理解できない言葉を聞くと、会話についていけなくなりますよね。
小学校1年生に、高校生が習う数学の公式を見せても理解できません。お客様はいつもあなたの商品のことを考えているわけではないのです。営業マンがプロ・専門家だとしたらお客様は初心者・アマチュア。
中学生でもわかるくらいのわかりやすくシンプルな言葉で話していくとよいでしょう。
営業ヒアリング力を高めるゲーム
ヒアリング力が高まるゲームを3つご紹介します。楽しみながらやると、身につきやすいですよね。ぜひ試してみてください。
ヒーローインタビュー
ヒーロー役と利き手の二人でやるゲームです。ヒーローインタビューのように「今日の勝因は何でしたか?」「とくに印象的だった場面はありますか?」などと聞いていきます。ヒーローに見立てることで、称賛しながら敬意をもって聞く練習にピッタリです。
他者紹介ゲーム
二人一組でいくつかグループを作ります。聞き手と話し手を配役し、お互いのよいところや特徴を聞き出します。話し終えたら、聞き手は皆の前で、話し手がどのような人物か3分ほどで紹介。このゲームでは、相手の話を聞くことと同時に、伝える練習にもなりますね。
なりきりラジオDJ
あらかじめラジオの相談コーナーのように相談内容を設定します。二人一組になってラジオDJとなり、相談コーナーとして答えていくというゲーム。二人で会話しながら相談を解決していきます。議論する練習とともに、自分の考えと相手の考えの違いや、多様性に気づけるゲームといえるでしょう。
営業ヒアリング力を高めるトレーニング
この章では営業ヒアリング力を高めるトレーニングをご紹介します。
ヒアリング能力の高い人を真似る
同僚や先輩でヒアリング能力の高い人を真似る方法です。営業に同行させてもらったりランチに一緒に行くなど、学べる場面はさまざま。真横で見て感じることはとても有意義です。メモに気づいたことを書き出して、真似して実践してみるとよいでしょう。あなたの能力が引き出されるかもしれませんね。
テレビ・ラジオ・YouTubeにあいづちする
ヒアリングにあいづちは欠かせません。あいづちは話し手が話しやすいように反応すること。「相手の話を聞いています。」という意思表示にもなります。「はい。」「なるほど。」などですね。
テレビやラジオで話している声に「はい。」「なるほど。」「おぉ。」「すごいですね。」などとあいづちをうってみるのです。もちろん、テレビやラジオは一方的に話してばかりですよね。「馬鹿げている。」と思う方もおられるでしょう。しかし、この方法を続けてトップセールスになった人がいるのです。あなどれませんよね。
この練習は他人の話に興味をもつ訓練に使えます。たとえば旅行番組であればご当地の料理が美味しそうに感じて、あいづちをうつほどに番組のなかに入っていく感覚になる。その感覚がつかめるようになると実戦でかなり力がついていることでしょう。
通勤トレーニング
あなたは電車・車・バス・徒歩のいずれかで通勤しておられることでしょう。すれ違う人や、電車で前に座った人の生活を想像したことはありますか?実は見ず知らずの人の人生を想像することが練習になるのです。
- どのような生活をしているのだろう?
- どのような仕事をしているのだろう?
- どのような悩みがあるのだろう?
- どのような趣味なのだろう?
- どのように休日を過ごしているのだろう?
- どのようなことをいま考えているのだろう?
などです。想像したことがあっているか違っているかを気にすることはありません。想像力を膨らませたり、相手に寄り添っていこうとする、相手のことを理解しようとするよいトレーニングになるのです。
「じっと目の前の人を見るなんて嫌だ。」と思うかも知れません。じっと見る必要はありません。目に入った人がいれば、違う方向を見ながら、目を閉じながら想像してみればよいのです。営業で初対面で会うお客様は見ず知らずの人ですよね。見ず知らずの人にどれだけ興味をもって話を聞けるかということに通じるのです。1分あればできるトレーニングといえますね。
あなたの地元のスーパーの品揃えを意識して見たことはあるでしょうか?同じスーパーマーケットでも地域が違えばニーズが違い、陳列されている商品が違ったりするのです。地域のお客様の年齢層や客層が求めるニースをヒアリングできているスーパーは勝ち残っていきます。スーパーは同じ商品を競合他社も売れる分、陳列のバリエーションが適しているかが差別化になるのです。営業マンも地域によって特色があるのがうなずけますね。
特徴のないスーパーでは生き残っていけないという思いを持って、ここまでも、ずっと取り組んできました。出店の際など、地域のお客様のニーズをヒアリングして、店ごとに品ぞろえも変えてきています
出典:2021/12/12 日経MJ(流通新聞) 3ページ ライフコーポレーション社長岩崎高治さん――小売業は質の競争を、安売りより個性磨く(トップに聞く)
営業Q&A
質問1:テレアポのヒアリングのコツとは
テレアポをやりはじめて一週間が経ちました。電話に出てくれた方に、話をしますが、その先に進めません。いくら説明しても進めずにもどかしいです。担当者につながるための、テレアポのヒアリングのコツがあれば教えてください。
回答1
質問いただきありがとうございます。テレアポをやりはじめて、電話に出てくださった方から次につながらないのですね。テレアポとひとくちにいっても、奥が深いので、すべてをお伝えしきれません。しかし、そのなかでも大切な5つのポイントをご紹介しますね
- 声のトーンは普段通り
- トントン進める
- いきなり売り込まない
- 断られない話し方をする
- 2~3つの質問をする
テレアポになると急に声が高くなる営業マンは、失敗する傾向があります。高い声=営業電話というイメージがあり、拒絶されやすいからです。普段通りの声で話してみましょう。普段通りの声であればラクに話せますし、件数も稼ぎやすくなります。もともと声が高い人は、やや落ち着きのある声にトーンを調整してから、話してみるのがオススメです。
あなたはテレアポてゆっくりと話しすぎていませんか?お客様からすれば必要ない電話なのに、営業マンの話がながながと時間がかかると切られる原因になります。トントンと調子よく進めてみましょう。急がず焦らず、ちょうどいいテンポが見つかってくるはずです。
テレアポで一番失敗するのはセールストークを冒頭から1分も話して、いきなり売り込んでしまうこと。お客様は自分にメリットがない話を聞いていられませんよね。たとえばテレビCMは15秒間です。15秒以上だとチャンネルを変えられてしまいどんどん離脱してしまうのです。テレビCMに興味がなければみていられないからです。テレビCMと同じように、テレアポもだらだらと説明して、いきなり売り込まないようにしましょう。
あなたはテレアポで判断をせまるような、きついクロージングをしていませんか?お客様から断られると、二度と電話に出てくれない場合も。営業マンもきつい断られ方をしたら、電話できなくなってしまいがちです。過去にある営業マンは「焼畑農業」と呼ばれていました。彼はテレアポできついクロージングをするので、彼が電話したあとは他の営業マンが電話できないのです。彼がひどい話し方をしていたのが表れていますね。ですから、断られない話し方が大切なのです。
テレアポでは、はじめに2~3つの質問をしてみましょう。お客様のニーズがあるのかないのかを、確かめながら進められるからです。ニーズがあればさらに具体的に話せますし、ニーズはあるけれど今ではないなら時期を改められます。質問から入っていくのがポイントです。
質問2:ヒアリング力を自己PRで話したいです
私は転職で営業を志望しています。面接でヒアリング力を自己PRしたいと思っています。アルバイト先の居酒屋でホールを担当しており、お客様から「反応がいいね。」とよくいわれます。この程度でも自己PRとして使えるのでしょうか?
回答2
転職の面接でヒアリングの自己PRをしたいのですね。アルバイト先でのエピソードを教えてくださり、ありがとうございます。率直にお伝えすると、「反応がいいね。」だけだと、自己PRとしては弱いです。あなたが工夫した部分を伝えきれていないからです。なぜ反応がよいと言われるのか、掘り下げてみましょう。
- お客様との会話であいづちを打っている。
- お客様からリアクションが大きく、話しやすいと言われる。
- 人間関係づくりの工夫を意識してお客様と接している。
など、あなたの工夫したことが必ずあるはず。あなたが知らず知らずのうちにやっていること、あなたにとっては当たり前のことでも、言語化できればヒアリングの自己PRになります。
とくに大切なことを一つお教えします。
- ビフォー:工夫する前、どのような状況だったか?
- アフター:工夫した後、どのような状況になったか
- プロセス:あなたがどのような工夫をしたか?
これらをまとめてみましょう。あなたならではの工夫が必ずあるはずです。応援しています。
まとめ
ヒアリングのコツ7選【トップセールスのコミュニケーション】をみてきました。いかがでしたか?
大切な営業のステップは次のとおりでしたね。
- ステップ1 雑談・アイスブレイク
- ステップ2 信頼関係を築く
- ステップ3 ニーズを把握する
- ステップ4 商品・サービスの提案
- ステップ5 クロージング
上記のステップ1~4にいたるまで、ヒアリングのスキルを活用しつつ進めていくのです。あいづち、共感の言葉、ミラーリング、オウム返し、ペーシングなど必要なスキルをお伝えしてきました。ヒアリングのスキルがないと、次のように売り込むだけになってしまいます。
- ステップ1 商品・サービスの話
- ステップ2 クロージング
ただしスキルよりも大切なのは、お客様に役立とうとする心です。つねに、ヒアリング力を磨いていくことが大切なのです。
ヒアリングはひとりではスグ身につくものではありません。専門家に教えてもらったり、仲間と一緒に学んだりする環境が必要です。
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