傾聴ヒアリングコツ

傾聴・ヒアリングのコツ7選【トップセールスのコミュニケーション】

あなたは売上をあげたくて悩んでいる営業マンか、反抗的な部下を持つ上司のどちらかでしょう。きっと、傾聴・ヒアリングが大切と気づいておられますよね。

「傾聴ってなに?」「ヒアリングとどう違うの?」「どうすればいいかわからない!」「コツが知りたい」と思って、悩んでいるに違いありません。

あなたは会社員として今までやってきて、傾聴・ヒアリングを学ぶ機会がなかったのですから、無理はありません。傾聴を学ばず、生まれながらにして自然と傾聴できる人はごくわずかです。

私の知る限り、多くのトップセールスが傾聴スキルを身につけています。できる上司・会社で昇進していく人も必ずといっていいほどもっている傾聴スキル。

生まれもって傾聴の才能がある人はごく一部なのでおいときましょう。

目をつけるべきなのは、後天的に身につけた人。

後天的に身につけた人は、はじめから100点満点の力を発揮したのでしょうか?決していきなり完璧にできるとは限りませんね?はじめは傾聴とは何かから、学ぶことがファーストステップ。傾聴力が身についていくにつれ、売上があがったり、部下と良好な関係性を築いていくのです。

本記事で私と一緒に傾聴・ヒアリングのコツを学びましょう。

  • 傾聴・ヒアリングの違いとは?
  • 傾聴・ヒアリングのコツ7選
  • 傾聴・ヒアリングの注意点ランキング
  • ヒアリングの鍛え方・3つのメソッド
  • 傾聴・ヒアリングで信頼関係をつくれるのか?
  • ヒアリングの質問項目テンプレート
  • トップセールスのコミュニケーション・能力高いのはどんな人?

記事を読み終えたあと、あなたは、「営業の現場で実践してみよう!」「職場の部下との面談でやってみよう!」と思っているはずです。

近い未来にあなたは、「売上がスルッとあがった!」「反抗的な部下が思い通りに動いてくれる!」と劇的に変わっていることでしょう。

傾聴・ヒアリングはチェックポイントだけでも200以上あるので、すべてをお伝えしきれません。しかし、あなたが明日から実践できる具体的で大切な内容をお伝えします。

目次

傾聴・ヒアリングの違いとは?

傾聴とは?

そもそも傾聴とは何なのでしょうか?読んで字のごとく、相手に耳を傾けること。

英語ではアクティブリスニング(積極的に聞くこと)といわれます。

「いやぁ。さっぱりわかりません。」という声が聞こえてきそうです。

あなたは相手の話に耳を傾けたことはありますか?「耳を傾ける」とは、じっくり相手の話を聞いて、本質を理解しようとすること。あなたが話すのではなく、相手の話が中心の時間をもつことです。

「まだイメージできません。」
という方のために、傾聴をイメージしていただきたいので、次の3つの画像をご覧ください。

傾聴積水ハウス
出典:積水ハウス株式会社 福島支店 家づくりの進め方

傾聴トヨタイムズ
出典:トヨタイムズ トヨタ自動車株式会社 人と人が話し合えば、大きな風を生み出せる。

傾聴力
出典:経済産業省 「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料

いかがでしたか?

「私は営業マンなので商品説明するのが仕事。顧客の話を聞いてばかりいられません。」
「私は職場のリーダー。部下に仕事を割り振ったり、働かせるのが仕事。話なんか聞いてどうするのですか?」
といいたくなる気もちもわかります。

いまは「傾聴とはなにか」を理解することが大切ですよね。本題にもどりましょう。
傾聴ヒアリングコツ

アメリカの著名な心理学者のであるカール・ロジャーズ氏によって提唱されたのが傾聴という概念。精神的な病気をかかえた方(クライエント)のカウンセリング(心理療法)が起源です。ロジャーズ氏は自らがカウンセラーとして、カウンセリングした数多くの実例をもとに、効果的だった原則を導き出したのです。

ロジャーズの3原則とは

ロジャーズの3原則とは

  • 1:共感的理解
  • 相手の話を相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすること。

  • 2:無条件の肯定的関心
  • 相手の話をよい・悪い、好き・嫌いと評価せずに聴く。相手の話を否定しない。そのように考えるようになったのはなぜなのか。話の背景に肯定的な興味・関心をもって聴く。これらにより、相手は安心して話せる。

  • 3:自己一致
  • 相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で聴く。話がわかりにくい時はわかりませんと伝える。話の本質・真意を確認する。わからないことをそのままにしない。

です。

ロジャーズの3原則
出典:傾聴とは 厚生労働省こころの耳

「漢字ばかりで難しそう。」
「カウンセラーが使う専門的な技法を使えるはずがない。」
と思う方もおられるでしょう。専門的な技法といっても、なにか特別な道具をつかうわけではありません。

あるのは、カウンセラーとクライエントだけ。

クライエントの話したいことにカウンセラーはうなづき、クライエントの話に興味をもって、聴いたことの認識をたしかめながら進めていくのです。カウンセラーは心理が専門ですので、営業マンのような商品説明や、上司から部下へ仕事を指示するようなことはありません。話の中心はクライエント。カウンセラーは寄り添う感じです。

「ん~ピンときません」

では、よくない事例をお伝えしますね。久しぶりにあった友人とあなたが喫茶店で話していると想像してください。

  • 友人「最近さあ、上司から営業がヘタだって言われたんだよ。」
  • あなた「わかるわ~。デキない上司に限って言ってくるんだよね。腹立つわ。」

あなたは世間一般でいわれる共感をしたつもりかもしれません。しかし、ロジャーズ氏のいう、共感的理解とは程遠い。違いは何だと思いますか?

友人は、上司から「営業がヘタ」だと言われて、怒っているかもしれない、イライラしているかもしれない。あなたに話を聞いて欲しかったかもしれないのです。なのに、プツッと話が途切れてしまった

世間話のレベルであれば、話が途切れるのは日常茶飯時でしょう。しかし、相手がひどく落ち込んでいたら、もっと親身になって話を聴いてあげたいものですよね。あなたの恋人なら、パートナーなら、大切な家族なら、じっくりと相手の立場に立って聴いてあげるはずですよね。

こころの耳傾聴って何?

出典:厚生労働省 こころの耳 「傾聴」ってなに?

営業マンに傾聴・ヒアリングはなぜ必要か?

なぜ営業マンに傾聴力・ヒアリング力が必要なのでしょうか?営業のステップを見るとよくわかります。

  • ステップ1 信頼関係を築く
  • ステップ2 ニーズを把握する
  • ステップ3 商品・サービスの話 

ステップ1~3にいたるまで、傾聴・ヒアリングのスキルは必須といってもいいほど。傾聴ヒアリングのスキルがないと、どのようなステップになるでしょう。

  • ステップ1 商品・サービスの話 
  • ステップ2 クロージング

傾聴ヒアリングコツ
かなりムリがありますね。あなたは会ってすぐ、商品サービスを提案してくる営業マンについて、どう思いますか?不愉快ですよね。カーディーラーにあなたが行ったとして、会ってすぐ「今オススメの車種は、この車がこちらの車です。」と売り込まれても、「あっ、そうですか。」くらいにしか思いません。心に響かないのです。

なぜ心に響かないのでしょうか?あなたの話を聞いてもらっていないからです。お客様も同じで、自分の話を聞いてもらいたいと思っていることを、忘れてはいけません。営業マンがじっくり耳を傾けてくれれば安心するのです。

恋愛にたとえてみましょう。あなたが一目惚れした相手に、会った当日に告白したとします。相手はどう思うでしょうか?「私のことを知らないくせに、どういう気持ちで言っているのだろう。」「付き合えるわけがない。」と思うのです。相手のことを知りもしないのに、内面的なことを知らないのに、いくら告白しても受け入れてくれるわけがありません。営業も恋愛と同じなのです。

上司と部下でたとえると次のようになります。普段まったく口をきかない上司が部下に対して、「新しいプロジェクトの資料を、明日までに作ってくれ。」というと、どうなるでしょうか?「私の仕事の状況も知らないで、なんてひどい上司なんだ。」と嫌がられるに違いありません。傾聴・ヒアリングは営業マンにも職場の上司にも必要なスキルなのです。

著名な経営学者である入山氏は、今後のリーダーの仕事は「聞く」「傾聴すること」と語っています。

今後のリーダーの仕事は「聞く」「傾聴する」ことだ。傾聴できないリーダーは組織をまとめられない。
出典:2021/12/25 日本経済新聞 朝刊 30ページ  回顧2021――経営学者入山章栄(私の3冊)

ヒアリングのメリットとは?

ヒアリングとは一体、どのようなことを指すのでしょうか?一般的には、お客様の現状や問題を聞いたり、部下の仕事の状況を聞いたりすることですね。ヒアリングシートをもって一つひとつ聞く光景が、思い浮かべられます。ヒアリングシートをつかって、一つひとつ聞いていく方法はどのようなメリットがあるのでしょうか?代表的なものを5つあげました。

  • 抜け漏れなく聞くべき項目を網羅できる。
  • あらかじめ質問項目を検討・準備できる。
  • 話がそれても軌道修正できる
  • 一度ヒアリングシート作ったら使い回せる
  • 相手によって聞く項目を使い分けられる

ヒアリングシートがないと聞きたいことを忘れたり、相手の話主体で本質から外れてしまいかねません。

傾聴・ヒアリングの違いとは?

傾聴とヒアリングの違いとは何でしょうか?一概にはいい切れません。実際に私が聞いた意見をご紹介します。

  • 傾聴よりヒアリングの方が、淡々と質問するイメージがある。
  • ヒアリングの方が冷たいように感じる。
  • ヒアリングより傾聴の方がじっくり聴いてくれそう。
  • ロジャースの3原則に沿っているのが傾聴。沿っていないのはヒアリング。
  • 事実だけを聴くのがヒアリング。気持ちを聴くのが傾聴。

いろいろな意見がありますね。傾聴とヒアリングという言葉は違った印象をもつ方がおられるようです。

なぜ傾聴力・ヒアリング力の向上が必要か?

傾聴力ヒアリング力の向上は、なぜ必要なのでしょうか?プロのカウンセラーは何十時間もトレーニングして、一流のカウンセラーになります。私もトレーニングに参加した一人ですのでよくわかります。傾聴力は一瞬で身に付けられるものではありません。相手の話をしっかり受け止める訓練が必要なのです。カウンセラーの研修生はお互いに、相談者・カウンセラーを交互に配役し、何度も練習し指導者からアドバイスをもらい、やっと身に付くもの。

営業マンも同じで、ただ単に座学で30分講師の話を聞いただけで、傾注力は身に付かないのです。しかし、営業未経験の方でも練習すればするほど、傾聴力は身についていきます。よくある失敗は「お客様で練習してしまうこと」。大切なお客様との商談が練習の場になるなんて、あってはなりません。職場の同僚と練習するのが、一つの方法です。傾聴力・ヒアリング力の向上がなければ、成績は上がっていきません。売り上げを上げるために、傾聴力ヒアリング力の向上は欠かせないのです。

傾聴・ヒアリング7つのコツ【トップセールスが実践】

トップセールスが実践している傾聴・ヒアリングのコツ7選を見ていきましょう

聞く8割・話す2割

あなたは営業でお客様と話す機会について、何%対何%くらいでしょうか?私の元上司はしゃべりっぱなしの営業マンで、話す8割・聞く2割で強引な営業手法でした。できれば、聞く8割・話す2割を一つの目安にしましょう。
あなたは傾聴・ヒアリングが営業やコミュニケーションにとって必要と思っているはず。話してばかりだと、まったく話を聞かない人の烙印を押されてしまいますよね。

「営業マンは主導権を握りたいから話しまくるものだ」と思い込んでいる人もいるでしょう。主導権を握っているのは聞いている側なのです。「聞いているだけで、なぜ主導権を握れるの?」と思う方もおられますよね。質問する側が次の話の展開を方向づけているからです。ある営業マンの失敗例を見てみましょう。

大手化粧品会社の役員との商談で、彼は40分間ずっと説明を続けました。説明し終えたあと、役員から「我が社の考えているプランは君のプランより長期的な話なんだ。」と断られました。合計1時間しかない商談の8割が無駄な説明だったのです。必死で説明したものの、一切役員の心には届かなかった。聞く側は話を広げたり、時間軸を行き来したり、質問によってコントロールできるにもかかわらず。

もちろん、聞く側には傾聴・質問のスキルが必要ですね。代表的なスキルはミラーリング。ミラーリングとは、お客様のしぐさ・動作をマネすること。同じしぐさ・動作をしている人に仲間意識を持ちやすいからです。

  • お客様が腕を組んだら、自分も腕をそっと組んでみる。
  • お客様が髪の毛をかきあげたら、自分の髪の毛に手をそえてみる。
  • お客様が前かがみになったら、自分はやや前傾姿勢にする。
  • お客様が背もたれにもたれたら、自分も背もたれに背中を近づける。
  • お客様が斜めに体を傾けたら、自分もやや斜めに大勢を変える。
  • お客様があごに手をあてたら、自分もあごに手をそえてみる。

などです。

スポーツの世界ではユニフォームがチームごとにありますよね。世代性別価値観が違っても同じユニフォームを着ることで仲間意識が芽生えます。ミラーリングと同じなのです。

注意する必要があるのは、お客様とまったく同じ動きにしないこと。お客様の動作と、あなたがまったく同じ動作だと、「私のマネをしている。」「気分がよくない。」と思われかねません。お客様に近い動作を、さりげなくやる程度にしておきましょう。

ミラーリングのテクニックを使うことで、聞く8割であっても、手持ち無沙汰になりにくいでしょう。聞く8割・話す2割を意識してみましょうね。

傾聴・ヒアリングで意識するコツ「いま・ここ」

傾聴・ヒアリングで意識する大切なコツに「いま・ここ」があります。「何のことですか?さっぱりわかりません。」という声が聞こえますね。「いま・ここ」とは相手が今ここにどのような気持ちでいるのか聞き手が理解しようとする、という意味です。相談者が過去のトラウマや悲しい事実があるとしても、今ここにいる相談者はどのような気持ちなのかを理解しようとすること。過去の事実に対して、当時の感情と今の感情は異なることがあるからです。当時は「悲しくてツラい。」と思っていた。しかし、今では「そのおかげで今がある」とポジティブに考えていたりします。その逆もあります。

「営業とどのように関係するのか?」と思った方もおられますよね。たとえば、過去に試着室でズボンのボタンを閉められなかった人がいるとします。当時は「太ってしまった。」としか思っていなかったとしても、いまあらためて思い返すと「やせなきゃいけないな」と思ったりするのです。やせたいと思うと、「どうすればダイエットできるのか」と考え始める。書店で本を買ったり、ジムに入会して月謝を払ったりと、購買行動に移る。では、購買行動を起こすきっかけは何でしたか?そう、「やせなきゃいけないな」という今の気持ちです。

「いま・ここ」の気持ちを聞けなければ、問題にフタをしたままになってしまう。ですから「いま・ここ」は大切なのです。

代表的な傾聴のテクニックに「オウム返し」があります。「オウム返し」とは相手の言葉を伝え返すこと。たとえば次のようにです。

  • 相手「試着室に入ったらズボンが入らなくて。」
  • あなた「試着室でズボンが入らなかったのですね。」
  • 相手「そうなんです若い時はスリムだったのに。」
  • あなた「なるほど、若い時は。」
  • 相手「年を取ると運動もしなくなりましたしね。」
  • あなた「運動しなくなったんですね。」
  • 相手「太ったままだといけないなと思っているんです。」
  • あなた「太ったままではいけないと。」
  • 相手「ジムにでも行ってみます。話を聞いてくれてありがとうございました」

傾聴ヒアリングコツ

相手の話を伝え返しているだけなのに、相手がどんどん思考を進めていく様子がわかりますね。相手がいうことのなかで趣旨を伝え返す。とくに気持ちを伝え返すと、相手は「わかってくれた」と感じやすくなります。

間違っても一語一句すべてをコピーしたように、伝え返すのは控えましょう。私の知人の会社では、まるまる同じ言葉を伝え返す研修が行われていました。知人が研修後、現場に出て実践してみると、お客様に首をかしげられるような違和感が多々あったそうです。オウム返しを使う時はくれぐれも気をつけましょう。

質問で誘導しない

あなたは質問で自分のもって行きたい方向へ、誘導したことはありませんか?質問で誘導しようとすると失敗してしまいます。お客様は「意図があって聞いているな。」と感じ、嫌がられてしまうからです。

あなたが家電量販店にエアコンを見に行く場面を、想像してみてください。

  • 店員「今日は何かお探しですか?エアコンのききが悪くなったとかでしょうか?」
  • あなた「いえ。引っ越ししたのでエアコンを見に来ました。」
  • 店員「そうでしたか。この時期、湿気って気になりがちですよね。自動で湿度を調節してくれるエアコンがあるんですよ。」
  • あなた「ほう。湿気は気にしていませんが。」
  • 店員「賢いエアコンが出てきていまして、AIで人の気配を感知するのがあるんです。見てみます?」
  • あなた「高そうなので。。そこまでお金もありませんし。」

店員が狙って質問や話題を投げかけても、お客様のニーズから外れると会話になりません。「この店員さん、うっとうしいな。」と、距離を取られてしまいます。

質問はあくまでもお客様が話すきっかけ。お客様自身がどのような気持ちでいるのかを引き出すカギ。質問で誘導しないことが大切なのです。

営業マンが話すはやさ・考えるはやさで進めない。

あなたはお客様の話すスピード・考えるはやさで会話していますか?傾聴・ヒアリング向上にはお客様が話すペース・考えるペースにあわせて会話することが大切。他人が話す速すぎる調子では話しにくかったり、考えが追いつかなかったりするからです。

24時間テレビのチャリティマラソンを見たことはありますか?マラソンランナーは人気の俳優やタレントさんが挑戦していますね。24時間走り続けるマラソンランナー。沿道で応援してくれるファンのありがたい声を感じながらも走り続けるのは過酷な道のりです。長時間走っていれば、喉がかれてきたり、お腹も空く。眠たくもなるでしょう。

ランナーのかたわらにはペースを管理するコーチがついているのです。一緒に走り、一緒に休み、また走る。マラソンランナーは孤独な戦いです。一緒に伴走してくれるコーチがいるから、走り続けられる。コーチが早すぎるペースで走れば、マラソンランナーは走り続けられませんよね。旦那のペースを見て速さを合わせて、ゴールに向かって調節していくのです。

営業も同じでマラソンランナーはお客様、営業マンは伴走するコーチです。ペースを合わせて会話するテクニックをペーシングとよびます。ペーシングを具体的に表現すると次のとおりです。

  • お客様がゆっくり話すのなら、営業マンもゆっくり話す。
  • お客様がとんとん拍子に話すなら、営業マンもトントン拍子に早めに話す。
  • お客様がじっくり考えている時は、営業マンもじっくり待つ。
  • お客さまが契約作業を早く進めたいなら、営業マンも端的話して進める。

傾聴ヒアリングコツ
すると、「この営業マンは私と相性がいい」とお客様は無意識に感じて、「よい営業マンだ。」と思うようになるのです。商談は、お客様のための時間であり、お客様のための空間であることを意識しておくとよいでしょう。

押せば引かれる、引けば出てくる。

あなたは営業で「お客様にセールストークで押せば売れる。」と思っていませんか?営業トークで押せば押すほどお客様は引いていくもの。押し売りされているようでは気持ちがよくないからです。

押すことよりも、引くことがポイント。押せば引かれてしまい、引けば出てきてくれる。お客様の話をじっくりと引き出すのです。

あなたが湖に1枚の葉っぱを浮かせたいのなら、どのようにしますか?そっとゆっくり波風が立たないように、やさしく葉っぱを湖面に置くはず。葉っぱを丸めて、勢いよく投げたりしませんよね。

生後まもない赤ちゃんを見守るときは、どうでしょうか?赤ちゃんが見えるところでいて、よちよち歩くのをじっと見守りますよね。危険が迫ればすぐに手を差し伸べられる距離で見守るはずです。

同じように、じっくりとお客様に寄り添うことが大切なのです。そのためにも押さず引いてみる。「引く」とはじっくり待ってみること。お客様の言葉を待てば、自然とお客様は言葉を発します。お客様の発した言葉に反応する。繰り返しの中で、お客様の話しやすい空間がどんどん生まれてきます。

ある営業マンの事例をご紹介しましょう。彼が営業訪問に行った企業で、役員に会い開口一番、次のように言われました。
「この商品には懸念していることがあるんだ。」
すぐさま反論してしまえば思うツボ、失敗するパターンにハマってしまいますよね。その営業マンは自分の中から出てくる「反論したい気持ち」をグッと抑えて、「どのような懸念なのか」じっくり聞きました。聞いていくなかで、誤解であると感じた営業マンはさらにじっくり聞いて、役員の想いを吐き出させたのです。

話し終えてから、ようやく誤解である理由や実例を伝え、安心してもらえたのでした。押さずに引くことがキモだったのです。

判断させようとしない

あなたは営業の商談でお客様に「契約を今すぐ決めましょう。」とせまっていませんか?お客様は心の中で次のように感じています。

  • 営業マンを信頼していいのだろうか。
  • 会社は信用がおけるのか。
  • 商品は間違いないか。
  • 購入後のサポートはしっかりしているか。

心の中が揺れ動いているのです。迷っている中で背中をグイグイ押されても前に進めません。そう、判断させようとしないことです。

お客様が契約を決める行為は投資の判断を下す、つまりリスクを取ることになります。冷静に判断したい人もいる。社内の誰かに確認したい人もいる。自分の状況を営業マンがわかってくれているかと、不安に感じるお客様もいる。ですから、話をとことん最後まで聴くのです。

テクニックとしては「。」まで聞くこと。お客様の話しが「。」で終わるまで、じっと待ってみるのです。まるでお客様の話しを味わうかのように。

傾聴を学べる映画をご紹介します。1994年に公開された大ヒット映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」をご存知でしょうか?監督はロバート・ゼメキス、主演はトム・ハンクス。主人公のフォレストは知能指数は高くはないけれど、純粋な心をもった青年。足がはやいことが評価され、フットボールの全米代表に。親友との約束を果たすためエビ漁船で起業し大成功。映画の冒頭にベンチに座って語るフォレスト。波瀾万丈の半生を振り返るように物語は続いていきます。傾聴のヒントがつかめるのは1時間40分から43分のたった3分間。ご高齢の婦人がフォレストの話に耳を傾けるシーンです。じっくりとやさしい雰囲気で聴く姿は愛情さえ感じるほど。勉強になりますよ。

ある営業マンは企業訪問でお客様が過去のエピソードを話しはじめ、3時間聞き続けました。じっくり聞いて最後にそっと背中を押してあげただけで契約が決まったそうです。両肩をドンッと押すのではなく、肩をふんわりと押す程度だったといいます。お客様に詰め寄るのではなく、そっと触れムリに判断させようとしないことが秘訣です。

傾聴・ヒアリングの注意点ランキング

傾聴・ヒアリングの注意点ランキングを3位から順に見ていきましょう。

3位:ヒアリングを一問一答にしない

ペンネームすぐるさんからの質問です。「ヒアリングがどうしても一問一答になってしまいます。会話がうまく続きません。コツや秘訣をお教えください。」

質問ありがとうございます。ヒアリングを実践しようとしている姿が素晴らしいですね。一問一答のやり取りは、次のようなイメージでしょうか。

  • 営業マン「現在のサービスは、使い勝手で困っておられませんか?」
  • お客様「あんまり困っていないね。」
  • 営業マン「使いにくいっていう話も聞くのですが、使いづらさはないですか?」
  • お客様「使いにくいことあるにはあるね。」
  • 営業マン「購入直後のサポートがないって、よく聞くのですがその辺りですか?」
  • お客様「そこはそれほど問題じゃないね。」
  • 営業マン「そうですか。(のらりくらりと、かわされてしまったなあ。)」

営業マンはどのような改善点があるでしょうか?そうです、質問の仕方がクローズドクエスチョンばかりなのです。クローズドクエスチョンとは、限定した回答が得やすい質問のこと。「はい・いいえ」で返って来やすいのです。

オープンクエスチョンとは拡大型質問で、お客様に自由に話してもらいやすい質問のこと。会話ではクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを、使いながら進めていくのです。

ニーズを知りたい場合であれば、オープンクエスチョンで自由に答えてもらいましょう。お客様が話したことについて、理由や具体的内容を掘り下げて聞いてみましょう。職務質問の尋問のように、追い込んでいくような聞き方にならないように、気をつけましょうね。

実は、私は過去に尋問のようにお客様に聞いていたことがありました。ヒアリングシートに書いた項目を端から端まですべて聞いていたのです。いま思えば、すべての項目を聞くことが目的になっていたなと、反省しています。

すぐるさん、参考にしてみてくださいね。

2位:先回りして想像しない

傾聴ヒアリングでことごとく失敗する原因の代表格は先回りして想像すること。お客様の話に対して営業マンが先回りして頭の中のイメージが膨らんでしまうと失敗します。

ペーシングを思い出してください。お客様の話す速さ考える速さに合わせることが大切でしたよね。
傾聴ヒアリングコツ
タレントのタモリさんは長年お昼の帯番組「笑っていいとも」の司会を務めておられました。おなじみなのは、テレフォンショッキングという、タレントさんとタモリさんの二人でトークするコーナー。タレントさんのどのような話でもタモリさんは動じることなく、先回りすることなく、対応していました。先回りして話を進めてスベったり、急いで話すこともありませんでした。先回りしないとは、まさにこのことです。

車の運転に例えてみましょう。アクセルを多くの営業マンは踏みがちです。オートマチック運転の場合、何もしなくても車はゆっくり進んでいきますよね。この感覚なのです。

会話でたとえてみると次のようなイメージです。

  • Aさん「海外旅行に行きたいな。」
  • Bさん「海外いいよね。グアムとかサイパンとか海が綺麗でいいらしいよ。」
  • Aさん「海よりアートに興味があるのよ。」
  • Bさん「アートならイタリアのルーブル美術館とかいいよね。」

Bさんは先回りして想像を膨らませて話していますね。友人との雑談なら構いません。しかし、商談では通用しないのです。関係性が作れていない相手との会話のちぐはぐ感は、違和感にしかならないからです。先回りして想像することは落とし穴ともいえますね。

1位:最初に商品説明をしない

あなたは「さっそく説明してもらえますか?」とお客様にいわれて、説明をはじめますか?「お客様から説明してほしい。」といわれたのだから当然説明しますよという方もいるでしょう。しかし、それが間違いなのです
傾聴ヒアリングコツ
お客様の現状・課題がわからないままの状況で、説明してもお客様に何も響かないからです。説明は端的に伝えるだけにして、じっくりヒアリングしたあと改めて説明するとよいでしょう。

たとえば、上司が部下にメール1本で指示したら、部下は素直に従うでしょうか?部下は別に抱えているプロジェクトで精一杯かもしれない。反発されてしまう可能性がありますよね。

もうおわかりですね。上司と部下とのやりとりでも同じことがいえるのです。いきなり指示をしないのと同じで、いきなり商品説明をしないことが大切なのです。

ヒアリング力の鍛え方・3つのメソッド

この章ではヒアリング力の鍛え方として、ヒアリング力を高めるゲームと、3つのメソッドをご紹介します。

ヒアリング力を高めるゲーム

ヒアリング力が高まるゲームを3つご紹介します。楽しみながらやると、身につきやすいですよね。ぜひ試してみてください。

  1. ヒーローインタビュー
  2. ヒーロー役と利き手の二人でやるゲームです。ヒーローインタビューのように「今日の勝因は何でしたか?」「とくに印象的だった場面はありますか?」などと聞いていきます。ヒーローに見立てることで、称賛しながら敬意をもって聞く練習にピッタリです。

  3. 他者紹介ゲーム
  4. 二人一組でいくつかグループを作ります。聞き手と話し手を配役し、お互いのよいところや特徴を聞き出します。話し終えたら、聞き手は皆の前で、話し手がどのような人物か3分ほどで紹介。このゲームでは、相手の話を聞くことと同時に、伝える練習にもなりますね。

  5. なりきりラジオDJ
  6. あらかじめラジオの相談コーナーのように相談内容を設定します。二人一組になってラジオDJとなり、相談コーナーとして答えていくというゲーム。二人で会話しながら相談を解決していきます。議論する練習とともに、自分の考えと相手の考えの違いや、多様性に気づけるゲームといえるでしょう。

ではヒアリング力を高める鍛え方・3つのメソッドをご紹介しましょう。

ヒアリング能力の高い人を真似る

同僚や先輩でヒアリング能力の高い人を真似る方法です。営業に同行させてもらったりランチに一緒に行くなど、学べる場面はさまざま。真横で見て感じることはとても有意義です。メモに気づいたことを書き出して、真似して実践してみるとよいでしょう。あなたの能力が引き出されるかもしれませんね。

テレビ・ラジオ・YouTubeにあいづちする

傾聴・ヒアリングにあいづちは欠かせません。あいづちは話し手が話しやすいように応答すること。「相手の話を聞いています。」という意思表示にもなります。「はい。」「なるほど。」などですね。

テレビやラジオで話している声に「はい。」「なるほど。」「おぉ。」「すごいですね。」などとあいづちをうってみるのです。もちろん、テレビやラジオは一方的に話してばかりですよね。「馬鹿げている。」と思う方もおられるでしょう。しかし、この方法を続けてトップセールスになった人がいるのです。あなどれませんよね。

この練習は他人の話に興味をもつ訓練に使えます。たとえば旅行番組であればご当地の料理が美味しそうに感じて、あいづちをうつほどに番組のなかに入っていく感覚になる。その感覚がつかめるようになると実戦でかなり力がついていることでしょう。

通勤トレーニング

あなたは電車・車・バス・徒歩のいずれかで通勤しておられることでしょう。すれ違う人や、電車で前に座った人の生活を想像したことはありますか?実は見ず知らずの人の人生を想像することが練習になるのです。

  • どのような生活をしているのだろう?
  • どのような仕事をしているのだろう?
  • どのような悩みがあるのだろう?
  • どのような趣味なのだろう?
  • どのように休日を過ごしているのだろう?
  • どのようなことをいま考えているのだろう?

などです。想像したことがあっているか違っているかを気にすることはありません。想像力を膨らませたり、相手に寄り添っていこうとする、相手のことを理解しようとするよいトレーニングになるのです。
傾聴ヒアリングコツ
「じっと目の前の人を見るなんて嫌だ。」と思うかも知れません。じっと見る必要はありません。目に入った人がいれば、違う方向を見ながら、目を閉じながら想像してみればよいのです。営業で初対面で会うお客様は見ず知らずの人ですよね。見ず知らずの人にどれだけ興味をもって話を聞けるかということに通じるのです。1分あればできるトレーニングといえますね。

傾聴・ヒアリングで信頼関係をつくれるのか?

ホットボタンを押す

あなたはお客様との信頼関係をどのようにつくっていますか?ホットボタンを押すことが手がかりのひとつです。ホットボタンとはお客様の価値観と一致すること。会話がピタリとはまり、感動すら覚えることです。いくつかの事例でホットボタンのイメージをつかんでいきましょう。

NHKの「ファミリーヒストリー」という番組をご存知ですか?タレントさんのご家族の物語を追う番組です。映画館のような場所で自らの家族の知られざるエピソードを目の当たりにして、ときには涙することさえあります。

ジャニーズの5人グループ「嵐」は2020年末に活動休止しました。リーダーの大野くんが「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい。」とメンバーに伝えたことがきっかけでした。メンバー5人で何度も何度も話し合い決断した活動休止。5人は互いに尊敬・感謝しあい、ファンを大切にし、活動休止という選択をしたのです。大野くんの思いにメンバーが共感した結果。大野くんが皆のホットボタンを押したといえるでしょう。

嵐大野ホットボタン
出典:弊社所属アーティスト「嵐」に関するご報告

2016年に製作された映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。主人公はマクドナルドの創業者レイ・クロック。当時は、シェイクミキサーのセールスマンだったクロック。カリフォルニア州にあるバーガーショップ「マクドナルド」のマクドナルド兄弟に会うところから物語が展開する。クロックは兄弟を食事に誘い、創業の歴史を語ってもらうのです。クロックの展望に共感したマクドナルド兄弟が、フランチャイズ化を了承したシーンは、まさにホットボタンを押された状態。ぜひ見てみてくださいね。

世界的に有名な日本のマンガ「ドラゴンボール」に目を向けてみましょう。孫悟空の宿敵であるフリーザと悟空が戦う場面。フリーザは悟空の親友であるクリリンを倒し、捨てゼリフを放ちます。親友を大切にする悟空が怒りをあらわにした場面がありました。友情を重んじる悟空のホットボタンがよくわかるシーンといえます。

いかがでしたか?ホットボタンのイメージはつかめたでしょうか?「どのようにお客様のホットボタンを見つけるのか?」と思った方もおられるでしょう。答えはカンタンです。

あなたが「どのような質問をされたら」「どのように聞かれたら」感動するのか。大切なのは価値観や信念の次元で質問をしてエピソードを引き出すことです。ぜひ試してみてくださいね。

ヒアリングの質問項目・テンプレートとは

傾聴ヒアリングコツ
「ヒアリングでどのような質問をすればよいか」と戸惑う方もおられるでしょう。質問項目のテンプレートをまとめましたので参考にしてくださいね。

現状・現在の状況を聞く

  • 商品・サービスを導入しているのか?
  • 導入した経緯は?
  • 使い勝手はどうなのか?

課題を聞く

  • 不満点はあるのか?
  • 具体的な課題は?
  • 最優先の課題はなにか?

解決のメリットを聞く

  • 解決すれば得られるメリットはなにか?
  • お客様自身が得られるメリットはあるのか?
  • メリットに対して価値を感じているのか?

解決しないデメリットを聞く

  • 解決しない場合、デメリットはあるのか?
  • 解決しない場合、お客様に何が起きるのか?
  • 解決しないデメリットをお客様はどう捉えているのか?

決裁者を聞く

  • 誰が決裁者なのか?
  • 決裁までの障害は何か?
  • お客様に協力できることはあるか?

必要性を聞く

  • なぜ必要なのか?
  • 必要な理由をお客様は理解しているのか?
  • 導入しなくてもいいのではないか?

時期を聞く

  • 決定時期・検討時期はいつか?
  • いつごろ購入してくれるのか?
  • 支払時期はいつか?

予算を聞く

  • 予算はどの程度あるのか?
  • 予算の稟議の通す流れは?
  • 予算を通すうえで障害になるのは何か?

トップセールスのコミュニケーション・能力が高いのはどんな人?

相手の気持を敏感に感じ取る人

相手の気持を敏感に感じ取るのはトップセールスの特徴です。気持ちをわかってもらえることで「自分のことをわかってくれている」と安心し好意をもつからです。「悩んでいる」「ツラい」など気持ちを他人にわかってもらえるとうれしいですよね。
傾聴ヒアリングコツ
知人が通う病院でのエピソードをご紹介します。体調が悪く、知人が患者として診察をうけにいったときの話です。

  • 患者「このところ微熱が続いていまして。」
  • 医師A「かぜですね。お薬出しときますから。お大事に。」
  • 患者「は、はい。」

ずいぶんそっけない医師だったそうです。それ以降はその医師の診察を受けたくなくなったので別の病院を受診しました。

  • 医師B「どうされました?」
  • 患者「このところ微熱が続いていまして。」
  • 医師B「何か思い当たることは?」
  • 患者「ぎっくり腰をやってしまって、普段どおりの生活がままならなくて。」
  • 医師B「それは大変でしたね。症状は他にもありますか?」
  • 患者「のども痛いんです。」

医師と患者のやりとりは営業マンとお客様のやりとりとよく似ています。営業マンが医師、患者さんがお客様にたとえられます。あなたが医療機関で受診するときも、お客様視点で医師と会話してみると気づくことがあるでしょう。

ハウスメーカーのトップ営業マンも傾聴力を重視しています。営業というよりは、コンサルタントやアドバイザーに近い存在、専門家なのです。

自分の武器は傾聴力だと小堀さんは考える。「賃貸住宅の営業は、顧客が抱えている複雑な問題を解決するコンサルタントに近い」。
出典:2021/12/06 日経産業新聞 15ページ  積水ハウス小堀尚美さん――「建てたら終わり」にしない、賃貸住宅受注、女性トップ、聞く力で地主の思いつかむ(売れる営業)

お客様の気持ちを察して敏感になること。実践してみましょう。

相手を否定しない

相手に自分の話を聞かせたいと思ったことはありませんか?相手を聞く姿勢にするにはどうすればよいのでしょうか?答えは「相手を否定しないこと」。自分の意見が否定されると嫌な気分になりますよね。肯定されると、相手に好意をもつものです。お客様がどのような話をしても、否定せずに聞いてみるのです。

「徹子の部屋」で有名な黒柳徹子さんをご存知でしょうか?ゲストをむかえてトークする番組です。黒柳さんはゲストがどのような話をしても「あらそう。」「おかしいわね。」と楽しそうに聞いておられます。「そんなことないでしょ。」などと、否定することは見たことがありません。

相手を否定せず聞いていくと、相手は好意をもち、自然とこちらの話しを聞いてくれるようになるのです。

わかりやすい言葉・表現で話す

あなたはお客様との会話で、いきなり専門用語や横文字で話していませんか?お客様は理解できない言葉を聞くと、会話についていけなくなりますよね。

小学校1年生に、高校生が習う数学の公式を見せても理解できません。お客様はいつもあなたの商品のことを考えているわけではないのです。営業マンがプロ・専門家だとしたらお客様は初心者・アマチュア。

中学生でもわかるくらいのわかりやすくシンプルな言葉で話していくとよいでしょう。

相手の立場に立って考える・事前シュミレーション

お客様と話すときは、お客様の立場に立って考えてみましょう。営業マンの視点ではなくお客様視点にたつと見えてくるものがあるからです。事前にシュミレーションするのが効果的です。

  • 過去どのような状況だったのか?
  • 現在の状況はどうなのか?
  • 未来はどのようになりたいのか?

仮説を立てることでお客様との会話がはずみやすくなります。仮説どおりの実態ではなくても構いません。お客様からすると「想定してきてくれた。」「準備をしっかりしてくれた。」という感覚になり、自然と感謝に変わっていくものです。

話題が豊富で楽しい

トップセールスは日頃から話のネタを収集しています。とっさに話題に使えて場が和むからです。付箋に書いたり、手帳に書き込んだり、スマホにメモしたり。ストックしておけば、ここぞという場面で活躍してくれます。

「ネタを集めるのは大変。」と思うかたもおられますよね。話しの時間軸を変える・横展開することで話題が広げやすくなります。

  • 過去に振る「もともとはどうだったのですか?」
  • 未来に振る「そのままだとどうなりますか?」
  • 横展開する「こんな場合ってどうなんですか?」

明日からすぐに使えるワザなので、試してみてくださいね。

傾聴で効果的な言葉とは?

傾聴・ヒアリングについて話すと「結局、どのような言葉が効果的なのですか?」と聞かれます。知りたい気持ちはよくわかります。しかし、傾聴に大切なのは、どこまでも相手の心を理解しようとすること。テクニック重視ではなく心が大切なのです。

  • どのような思いで今おられるのだろう?
  • なぜそのように考えるのだろう?
  • そのように考えるに至った経緯は何だろう?

相手の心に寄り添ってどこまでも心に向かって理解しようと、さまざまな角度から会話して行くのです。

  • あなたはどのように聞かれると本音を話したくなりますか?
  • あなたはどのような人から聞かれると本音を話したくなりますか?
  • あなたはどのようなあいづちをうってくれる人に本音を話しますか?

答えはそこにあるのです。

とはいえ、大切なフレーズがあります。

  • 「話しやすいところから、お話ください。」
  • 「思っておられることをお話ください。」
  • 「〇〇なお気持ちであると伝わってきました。」

などです。

思い込みや偏った見方をしないようにしましょうね。雨が降って喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいます。畑の作物にとっては恵みの雨でも、野球の試合が雨天中止になれば悲しみの雨になりますね。

相手が話しやすい雰囲気で、相手のことを想って「聞かせていただく」つもりで聞いていきましょう。

営業Q&A

質問1:テレアポのヒアリングのコツとは

テレアポをやりはじめて一週間が経ちました。電話に出てくれた方に、話をしますが、その先に進めません。いくら説明しても進めずにもどかしいです。担当者につながるための、テレアポのヒアリングのコツがあれば教えてください。
傾聴ヒアリングコツ

回答1

質問いただきありがとうございます。テレアポをやりはじめて、電話に出てくださった方から次につながらないのですね。テレアポとひとくちにいっても、奥が深いので、すべてをお伝えしきれません。しかし、そのなかでも大切な5つのポイントをご紹介しますね

  1. 声のトーンは普段通り
  2. テレアポになると急に声が高くなる営業マンは、失敗する傾向があります。高い声=営業電話というイメージがあり、拒絶されやすいからです。普段通りの声で話してみましょう。普段通りの声であればラクに話せますし、件数も稼ぎやすくなります。もともと声が高い人は、やや落ち着きのある声にトーンを調整してから、話してみるのがオススメです。

  3. トントン進める
  4. あなたはテレアポてゆっくりと話しすぎていませんか?お客様からすれば必要ない電話なのに、営業マンの話がながながと時間がかかると切られる原因になります。トントンと調子よく進めてみましょう。急がず焦らず、ちょうどいいテンポが見つかってくるはずです。

  5. いきなり売り込まない
  6. テレアポで一番失敗するのはセールストークを冒頭から1分も話して、いきなり売り込んでしまうこと。お客様は自分にメリットがない話を聞いていられませんよね。たとえばテレビCMは15秒間です。15秒以上だとチャンネルを変えられてしまいどんどん離脱してしまうのです。テレビCMに興味がなければみていられないからです。テレビCMと同じように、テレアポもだらだらと説明して、いきなり売り込まないようにしましょう。

  7. 断られない話し方をする
  8. あなたはテレアポで判断をせまるような、きついクロージングをしていませんか?お客様から断られると、二度と電話に出てくれない場合も。営業マンもきつい断られ方をしたら、電話できなくなってしまいがちです。過去にある営業マンは「焼畑農業」と呼ばれていました。彼はテレアポできついクロージングをするので、彼が電話したあとは他の営業マンが電話できないのです。彼がひどい話し方をしていたのが表れていますね。ですから、断られない話し方が大切なのです。

  9. 2~3つの質問をする
  10. テレアポでは、はじめに2~3つの質問をしてみましょう。お客様のニーズがあるのかないのかを、確かめながら進められるからです。ニーズがあればさらに具体的に話せますし、ニーズはあるけれど今ではないなら時期を改められます。質問から入っていくのがポイントです。

質問2:ヒアリング力を自己PRで話したいです

私は転職で営業を志望しています。面接でヒアリング力を自己PRしたいと思っています。アルバイト先の居酒屋でホールを担当しており、お客様から「反応がいいね。」とよくいわれます。この程度でも自己PRとして使えるのでしょうか?

回答2

転職の面接でヒアリングの自己PRをしたいのですね。アルバイト先でのエピソードを教えてくださり、ありがとうございます。率直にお伝えすると、「反応がいいね。」だけだと、自己PRとしては弱いです。あなたが工夫した部分を伝えきれていないからです。なぜ反応がよいと言われるのか、掘り下げてみましょう。

  • お客様との会話であいづちを打っている。
  • お客様からリアクションが大きく、話しやすいと言われる。
  • 人間関係づくりの工夫を意識してお客様と接している。

など、あなたの工夫したことが必ずあるはず。あなたが知らず知らずのうちにやっていること、あなたにとっては当たり前のことでも、言語化できればヒアリングの自己PRになります。

とくに大切なことを一つお教えします。

  • ビフォー:工夫する前、どのような状況だったか?
  • アフター:工夫した後、どのような状況になったか
  • プロセス:あなたがどのような工夫をしたか?

これらをまとめてみましょう。あなたならではの工夫が必ずあるはずです。応援しています。

まとめ

傾聴・ヒアリングのコツ7選【トップセールスのコミュニケーション】をみてきました。いかがでしたか?
大切な営業のステップは次のとおりでしたね。

  • ステップ1 信頼関係を築く
  • ステップ2 ニーズを把握する
  • ステップ3 商品・サービスの話 

上記のステップ1~3にいたるまで、傾聴・ヒアリングのスキルを活用しつつ進めていくのです。あいづち、共感の言葉、ミラーリング、オウム返し、ペーシング、声のトーン、姿勢など必要なスキルをお伝えしてきました。傾聴ヒアリングのスキルがないと、次のように売り込むだけになってしまいます。

  • ステップ1 商品・サービスの話 
  • ステップ2 クロージング

ただしスキルよりも大切なのは心です。お客様に役立とうとする心です。上司が部下に接するときも同じです。傾聴力・ヒアリング力を磨いていくことが大切なのです。

傾聴・ヒアリングはひとりではスグ身につくものではありません。専門家に教えてもらったり、仲間と一緒に学んだりする環境が必要です。

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2003年、22歳から営業マンとして18年の実績。2017年の配置転換を機に営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。100人以上の営業相談に応じてきた実績。経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に好評がある。

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