営業に必要な「雑談力」の鍛え方

営業に必要な「雑談力」の鍛え方

なぜ営業に雑談力が必要なのか

初対面の商談で何を話せばいいか分からず沈黙してしまう、そんな経験はありませんか?
雑談は単なる「場を和ませる会話」ではなく、お客様と心を通わせるための大切なステップです。
今回は、営業で信頼関係を築くための雑談力の鍛え方を解説します。

雑談の本当の目的

雑談とは“ただのおしゃべり”ではなく、相手と心を通わせるための対話です。

よく「時間がないから天気の話でも」「ご家族の話でもしておこう」と形式的に話す人がいますが、それでは心は動きません。
大切なのは「今日は時間をいただいてありがとうございます」という気持ちで話すこと。
その“思いやりの姿勢”が伝わると、自然にお互いの心が通い合うのです。

雑談の目的は、場を和ませることよりも「相手に関心を持って寄り添うこと」。
この意識ひとつで、相手が感じる印象はまったく変わります。

天気の話で終わらせない

「今日はいい天気ですね」で終わる会話では、信頼は生まれません。
相手の人柄や状況に踏み込むことで、初めて心が近づきます。

たとえばこんな対話です。

  • 「今日はお時間いただきありがとうございます。ところで、なぜお時間を取ってくださったんですか?」
  • 「今の会社の状況や、これまで大変だった時期などお聞きしてもよろしいですか?」
  • 「その時どう乗り越えてこられたんですか?」

こうして相手の体験を丁寧に聞いていくと、自然に「この人は自分を理解してくれる」と感じてもらえます。

質問を通じて相手の気持ちや背景を引き出すことが、最高の雑談です。

雑談から“お役立ち”につなげる

雑談を“場つなぎ”で終わらせてはいけません。
相手の言葉を受け止め、「そのために私がお役に立てることがあるかもしれません」とつなげることで、
雑談は営業の第一歩へと変わります。

昔、ある営業マンが「ゴルフを毎週一緒にしないと仲良くなれない」と言っていました。
でも本質はそこではありません。
わずか5分の会話でも、心を通わせることができれば信頼は生まれます。

アイスブレイクとは“心を溶かす”ことだと言われますが、私は“心を通わせる”方が大切だと思います。
商談前の短い時間でも、お互いの人生が少し交わるような会話を心がけましょう。

雑談力を鍛える3つの意識

  • 相手への興味を持つ:「どんなことを大切にされてますか?」など関心を示す。
  • 思いやりを持つ:「お時間ありがとうございます」と感謝から始める。
  • つながりを意識する:話題を“相手の経験”や“想い”に結びつける。

これらを意識するだけで、天気の話では得られない温かさと信頼が生まれます。

まとめ

営業に必要な雑談力とは、話術ではなく「相手に興味を持ち、親身に聴く姿勢」です。
お天気の話ではなく、相手の人生や思いに耳を傾けること。

そうすれば、たった数分の雑談でも心が温まり、自然に本題へと進むことができます。

あなたは普段、商談の最初にどんな雑談をしていますか?
印象に残ったエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてください。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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