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やることが多すぎる営業は今日の一問だけ残す


多すぎる営業行動を一問へ絞る設計

やることが多すぎる営業は、一日を始める前から疲れています。新規連絡、既存フォロー、商談準備、提案書、見積、報告、紹介依頼、失注後の確認。どれも大事に見えるため、全部を少しずつ触って、夕方に何が進んだのか分からなくなることがあります。営業でやることが多すぎる日は、行動を増やす前に、お客様の判断を進める一問だけを決めます。優先順位は自分の作業量ではなく、お客様の次の判断から逆算すると見えやすくなります。この記事を読んでいただくことで、営業行動が散らばる日に何を残し、何を後へ回すかが分かります。最後までご覧ください。

こんな人におすすめの記事です。

  • 営業のタスクが多く、毎日追われている感覚がある方
  • 行動量はあるのに商談の前進が少ないと感じる方
  • 今日の営業行動を一つに絞る基準を作りたい方

忙しさを減らす話ではなく、商談を前に進める行動の選び方として見ていきましょう。

やることが増えるほど浅くなる会話

営業でやることが多すぎる日ほど、会話は浅くなりやすいです。次の予定が気になるため、相手の言葉を聞きながらも、頭の中では次の連絡や資料作成を考えています。すると、聞くべき一言が抜けます。お客様が「少し迷っています」と言ったのに、理由を聞かずに次回日程だけを押さえる。提案後に「いいですね」と言われたのに、どこがいいのかを聞かない。忙しさは、営業の質問を短くするのではなく、質問そのものを抜けさせます。

逆転営業では、営業をお役立ちの結晶として見ます。お役立ちは、作業をたくさんこなすことではありません。お客様が判断しやすくなる材料を増やすことです。だから、忙しい日ほど「今日どれだけ片づけるか」ではなく、「今日のお客様は何を判断できれば前に進むか」を見ます。

営業の優先順位は、タスク一覧の上から順番に決めるものではありません。お客様の迷いがどこにあるかを見て、そこへ届く行動から選びます。

今日残す一問の決め方

やることが多すぎる日は、すべての商談を同じ熱量で進めようとしないでください。まず、今日の行動を三つの場所に分けます。新しい相談を作る場所、進行中の商談を前へ送る場所、止まっている案件を確認する場所です。この三つを同じ時間帯に混ぜると、頭が切り替わらず、どれも中途半端に終わります。

新しい相談を作る場所では、最初の一問を決めます。「いま一番時間を取られている営業課題は何ですか」のように、相手が現状を話しやすい一問です。進行中の商談では、「ここまで聞いて、どの部分がいちばん良いと感じましたか」。止まっている案件では、「次に確認できれば判断しやすくなる一点は何ですか」。場所によって一問を変えるだけで、行動の意味が変わります。

ここで大切なのは、全部に同じ解決策を当てないことです。新規連絡の一問と、提案後の一問と、失注後の一問は違います。忙しい日ほど、営業側の都合ではなく、お客様が次に答えやすい一問を選ぶことです。

商談前に見る一項目

忙しい日に使うチェックリストは、一項目だけにします。営業チェックリストを丸ごと広げると、忙しい人はさらに苦しくなります。今日見るのは次の一つです。

この行動は、お客様の判断を一つ軽くするか。

たとえば、資料を作る行動でも、この問いに答えられるなら優先してよいです。お客様が社内へ説明しやすくなる資料なら、判断を軽くします。一方で、自分が不安だから説明を足すだけの資料なら、後へ回してよいかもしれません。電話も同じです。相手の比較対象を聞く電話なら前進です。近況だけをぼんやり聞く電話なら、今日でなくてもよい場合があります。

私は現場で、予定表に営業行動がびっしり並ぶほど、最初の一問が曖昧になる場面を何度も見てきました。Aさんもその一人でした。Aさんは午前に12件へ連絡し、午後に2件商談を入れ、夕方に見積を直していましたが、次回へ進む案件が増えませんでした。そこで、各行動の前に「相手の判断を何で軽くするか」を一言で決めました。10営業日で連絡件数は少し減りましたが、次回確認へ進んだ案件は2件から5件へ増えました。変えたのは作業量ではなく、行動の前に置く問いでした。

お客様の段階で分ける優先順位

営業行動を選ぶときは、自分の締切だけでなく、お客様の段階を見ます。相手がまだ現状を話していないなら、商品説明より現状確認です。相手が良さを感じているなら、どこが良いかを本人の言葉で聞きます。相手が考える段階にいるなら、何を考えるのかを分けます。相手が行動する段階にいるなら、手続きや日程を整えます。

この段階を無視すると、営業は忙しくなります。感じていない人に提案書を作る。考える段階の人へ申込を迫る。行動したい人へまた長い説明をする。どれも作業は増えますが、お客様の判断は進みません。やることが多すぎる日は、相手の段階に合わない行動を一つ減らすだけでも負担が軽くなります。

優先順位は、「重要度」と「緊急度」だけでは足りません。営業では、「相手の判断が進む度合い」も見ます。今日の一手で相手の不安が一つ減るなら優先します。今日やっても相手の判断が変わらないなら、時間をずらします。

一日の終わりに見る五つの問い

やることが多すぎる状態を変えるには、振り返りも短くします。使うのは、状況、気持ち、気づき、次の行動、未来の五つです。ただし、長く書く必要はありません。自分を責めるためではなく、明日の一問を変えるために見ます。

まず、どのような状況だったかを一文で言います。次に、その状況でどんな気持ちだったかを見ます。焦り、不安、急ぎ、面倒くささが出ていたなら、商談にもにじみます。三つ目に、どんな気づきがあったかを見ます。四つ目に、次回は何を変えるかを一つだけ決めます。五つ目に、その行動を続けるとどんな未来になるかを短く置きます。

振り返りの目的は、過去を整えることではなく、明日の商談で最初の一問を変えることです。ここまで落とすと、忙しい日の改善が精神論で終わりません。

増やさない行動の判断

営業でやることが多すぎる人は、良い方法を見つけるたびに行動を足します。新しい資料を作る。新しい管理表を作る。新しい連絡先を増やす。どれも悪くありませんが、足す前に、やめる行動を決める必要があります。

やめる候補は、お客様の判断を軽くしていない行動です。たとえば、相手がまだ課題を話していないのに送る詳細資料。価格の不安が出ていないのに先に出す値引き案。次回の目的が決まっていないまま入れる訪問。これらは忙しさを増やしますが、商談を前へ送るとは限りません。

反対に、短くても残すべき行動があります。「どこが良いと感じましたか」と聞く一問。「何と比べて迷っていますか」と聞く一問。「次に確認できれば安心する点は何ですか」と聞く一問です。一問が決まると、営業行動は作業ではなく判断支援に変わります。

予定表に入れる三つの帯

実務では、予定表を三つの帯に分けると動きやすくなります。午前は新しい相談を作る帯、昼前後は進行中の商談を前へ送る帯、夕方は止まっている案件の確認帯です。時間帯そのものに絶対の正解はありません。大事なのは、同じ種類の判断をまとめることです。

新しい相談を作る帯では、数を追いすぎず、相手が話しはじめる一問をそろえます。進行中の帯では、資料作成の前に相手が何を良いと感じているかを確認します。止まっている案件の帯では、契約を取りに行くのではなく、次に確認する一点を決めます。

予定表は、作業を詰め込むためだけではなく、営業の頭の切り替えを助けるために使います。この切り替えができると、やることが多い日でも、会話の質が落ちにくくなります。

朝に決める残し方

朝の時点で一日の営業行動をすべて確定させる必要はありません。ただ、今日残す一問だけは決めておきます。たとえば、「比較している相手を聞く日」「決めきれない理由を聞く日」「次回確認する一点を決める日」のように、会話の目的を一つにします。これがあると、予定が崩れても判断しやすくなります。

急な依頼が入ったときも、「この依頼はお客様の判断を軽くするか」と見ます。軽くするなら入れます。軽くしないなら、時間をずらします。忙しい営業ほど、割り込みをすべて受けるのではなく、今日の一問とつながるかで選ぶことが必要です。

この決め方をすると、一日の終わりに残る感覚が変わります。たくさん処理したのに何も進んでいない日ではなく、件数は少なくても相手の判断が一つ進んだ日として残ります。営業の疲れは作業量だけでなく、前進感のなさからも生まれます。前進感を作るためにも、朝の一問を決めてから動きはじめてください。

午前に決めた一問は、午後に変えても構いません。商談で新しい不安が出たなら、その不安へ合わせて一問を入れ替えます。大事なのは、常に何か一つを意識している状態です。何も決めずに動くと、すべての予定が同じ重さに見えます。一問があると、重さの違いが見えます。

営業Q&A

全部大事に見える日は何から始めればいいですか?

新規もフォローも商談準備も大事に見えます。どれから始めても別のことが気になり、結局一日が散らかります。

回答

最初に、お客様の判断が今日いちばん進みそうな案件を一つ選んでください。自分が片づけたい作業ではなく、相手が次の判断へ進める行動を選びます。

判断基準は、「この行動で相手の不安が一つ減るか」です。減るなら優先します。減らないなら、時間をずらします。新規連絡でも、商談準備でも、フォローでも、この基準は同じです。

やることが多すぎる日は、全部を均等に進めようとしないでください。今日残す一問を決めるだけで、行動の迷いはかなり減ります。

まとめ

やることが多すぎる営業は、タスクの量ではなく、お客様の判断を一つ軽くする行動から今日の優先順位を決めてください。新規、進行中、停滞中の段階ごとに一問を変え、増やす前に減らす行動も選びましょう。

応援しています。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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