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営業課題解決は提案前にお客様の現状を半分聞く


提案前に現状を聞き切る課題解決

営業課題解決という言葉を聞くと、早く解決策を出す人が頼られるように感じます。お客様が困っているなら、すぐ提案した方が親切だと思うかもしれません。しかし、現場では逆のことが起きます。解決策が早すぎるほど、売り込みに見えることがあります。

逆転営業では、営業は後出しジャンケンです。先に商品や方法を出すのではなく、相手の現状、欲求、課題を聞いてから提案します。営業課題解決は、解決策を早く言う力ではなく、提案前にお客様の現状を半分聞く力です。

この記事では、営業課題解決で売り込みに見えないための聞き方を解説します。現状を50%の時間で聞き、欲求と課題を分けてから口プレへ進むと、お客様は自分の問題として提案を受け取りやすくなります。最後までご覧ください。

この記事は次のような方におすすめです。

  • 課題を聞く前に解決策を話してしまう方
  • 提案が早いのにお客様の反応が薄い方
  • 商談で何を聞けば課題解決につながるか知りたい方
  • 一人社長として相談される営業へ変えたい方

課題解決を急ぐと売り込みに見える理由

お客様が『困っています』と言った瞬間に、営業側は解決策を出したくなります。自分の商品が役に立つと思っているほど、その気持ちは強くなります。けれど、お客様の言う困りごとは、まだ表面の言葉かもしれません。

たとえば『人が育たない』と言っている相手が、本当に困っているのは教育方法ではなく、右腕になる人がいない不安かもしれません。『売上が伸びない』と言っている相手が、本当に気にしているのは新規数ではなく、既存のお客様に紹介を頼めないことかもしれません。

ここを聞かずに解決策を出すと、相手は『まだそこまで話していない』と感じます。営業側は親切のつもりでも、相手には先回りに見えます。課題解決の前に必要なのは、相手の困りごとの奥行きを一緒に見る時間です。

現状50%で聞く四つの順番

レッスン深掘り集約のアプローチ章では、現状を聞くのに全体の50%の時間を使うとされています。これは遠回りではありません。相手の現状が見えないまま提案すると、解決策は営業側の都合で選ばれやすいからです。

現状の描写

最初に聞くのは現状です。『いま、どのような状態ですか』だけでは広すぎる場合があります。『最近、どの場面で一番時間を取られていますか』『お客様からどんな相談が増えていますか』のように、場面で聞くと答えやすくなります。

現状を聞く時は、すぐ評価しません。良い、悪い、もったいないと判断せず、相手が見ている景色を一緒に見ます。ここで焦ると、相手は自分の本音を出しにくくなります。

欲求の分離

現状の中には、欲求が混ざって出ます。『今のままでは困る』という言葉の中に、『本当はこうしたい』が入っています。だから、現状を聞いた後に改めて『本当はどうしていきたいですか』と分けて聞きます。

この一問があると、お客様は自分の望みを言葉にします。営業側が作った目標ではなく、相手の中から出た欲求です。提案はここから組み立てます。

今の取り組み

次に、すでに何を試しているかを聞きます。ここを聞かずに提案すると、相手の努力を無視した印象を与えます。『そのために、今は何をされていますか』と聞くと、相手は自分なりの取り組みを話せます。

取り組みを聞いたら、まず認めます。うまくいっていなくても、相手は何とかしようとしてきた人です。認めた上で、その取り組みで本当に欲求へ近づいているかを一緒に見ます。

直面の確認

最後に直面です。『それで本当に実現できそうですか』と聞きます。これは押しつけではありません。相手が見て見ぬふりをしていた現実に、優しく向き合ってもらう質問です。

ここで相手が『難しいですね』と言えたら、課題解決の入口ができます。営業側が課題を決めたのではなく、相手が自分で気づいたからです。直面の質問は、相手を追い詰めるためではなく、本人の中にある問題意識を言葉にするために使います。

課題が見えた場面の再生

短い商談で見てみます。相手は社員教育に困っている経営者です。営業側は研修の説明へ進みたいところですが、まだ現状を聞きます。

営業側: 「そういうなかで、いま社員さんの現状はどのような感じですか。」

相手: 「人数は増えたのですが、私が見ないと進まないですね。」

営業側: 「私が見ないと進まないのですね。任せたい気持ちはあるけれど、任せきれない感じですか。」

相手: 「そうです。右腕になる人がいないのが一番きついです。」

営業側: 「では、今後はどのようにしていきたいですか。」

相手: 「2、3年で現場を任せられる人を三人は育てたいです。」

この会話では、営業側は研修内容を説明していません。『社員教育に困っている』という表面の課題を、右腕がいない不安と、三人育てたい欲求へ分けました。ここまで聞くと、提案は研修商品の説明ではなく、相手の未来に近づく手段として話せます。

現場で反応が変わるのは、相手が自分の言葉で課題を言えた瞬間です。営業側が『御社の課題は人材育成です』と言うより、相手が『右腕がいないのがきつい』と言う方が深いのです。課題解決の入口は、営業側の分析ではなく、お客様自身の言葉にあります。

解決策を言う前の直面

課題が見えたら、すぐ解決策を言いたくなります。そこでもう一問だけ置きます。『そのために、今は何をされていますか』『それで本当に実現できそうですか』です。

この二つを聞くと、お客様は自分の取り組みと現実のギャップを見ます。営業側が問題を指摘するのではありません。相手が自分で、今のままだと難しいかもしれないと感じます。ここで初めて、解決策を聞く準備が整います。

口プレは、プレゼン本体ではありません。『もし、右腕候補が自分から動きはじめる流れが作れるとしたら、聞いてみたいですか』のように、相手の言葉を使って予告します。ここまで聞いていれば、相手は自分の課題として受け取ります。

逆に、現状が浅いまま『良い研修があります』と言うと、営業側の商品説明に聞こえます。同じ解決策でも、出すタイミングで印象は変わります。

できない営業とできる営業の差

できない営業は、困りごとを聞いた瞬間に解決策へ走ります。相手の言葉を聞いたつもりでも、自分の商品に当てはめています。だから説明は早いのに、相手の反応は薄くなります。

できる営業は、困りごとを一度受け止め、現状と欲求を分けます。今どうなっているのか。本当はどうしたいのか。そのために何をしているのか。それで実現できそうか。この順番で聞きます。

この差は、話術の差ではありません。順番の差です。相手の話を半分聞くと、提案の言葉は短くなります。なぜなら、相手の言葉を使えるからです。

Aさん(研修業の一人社長)は、以前は初回面談の前半で自分の講座内容を説明していました。相手はうなずいてくれますが、最後は『社内で検討します』で止まりました。そこで初回の半分を現状確認に変えました。社員数、育成担当者、今の取り組み、任せたい仕事を聞いてから提案したところ、次回面談では相手の方から『その内容なら現場責任者も同席させたい』と言われました。

Aさんが変えたのは、説明の上手さではありません。解決策を言う順番です。営業課題解決で一番変えやすい行動は、提案を一呼吸遅らせ、現状をもう一段聞くことです。

営業Q&A

課題を聞いたらすぐ解決策を出してはいけませんか?

回答

すぐ出してよい場面もあります。ただし、相手がまだ現状や欲求を言葉にできていない時は、早すぎます。まず、何に困っているのか、その状態を本当はどうしたいのかを聞いてから提案してください。

解決策を出す前に、『そのために今は何をされていますか』と聞くと、相手の努力と限界が見えます。その後の提案は、営業側の売り込みではなく、相手の流れに沿った支援として受け取られます。

現状を50%聞くと商談が長くなりませんか?

回答

長くなるというより、後半の説明が短くなります。現状を聞かずに説明すると、合わない話が増えます。現状を聞いていれば、相手が本当に見たいところだけを話せます。

時間が限られる時ほど、現状を一つに絞って聞きます。『いま一番時間を取られている場面はどこですか』のように、場面を狭めると短い時間でも深く聞けます。

直面の質問がきつく聞こえないか不安ですか?

回答

言い方を柔らかくすれば大丈夫です。『このままでいいのですか』と詰めるのではなく、『今の取り組みで、望む状態に近づけそうですか』と聞きます。相手のために確認する姿勢が伝われば、責める質問にはなりません。

直面は相手を追い込むためではありません。お客様が自分の現実を見て、次に何を考えるかを決めるための質問です。

提案を短くする一文

現状を十分に聞くと、提案の一文は短くなります。『御社にはこの機能が必要です』ではなく、『右腕候補を三人育てたいという話でしたので、今回は現場で任せる練習を入れた形で見てください』と伝えられます。

この一文には、お客様の言葉が入っています。右腕候補、三人、現場で任せる練習。相手が話した言葉を使うため、提案が押しつけに見えません。解決策そのものより、相手の現状と欲求につながっていることが伝わります。

営業課題解決で提案が長くなる時は、聞く前に説明している可能性があります。聞けている提案は短くなります。相手の言葉で一文にできるかを、商談後に確認してください。

一文にできない時は、課題の言葉がまだ営業側のものになっている可能性があります。その場合は、解決策を足すのではなく、もう一度お客様の言葉へ戻ります。『今の話を一言で言うと、どの状態を変えたい感じですか』と聞くと、提案の軸が見えます。

提案を短くすることは、説明を省くことではありません。先に相手の現状を聞いたから、必要な説明だけを選べるということです。短い提案ほど、お客様は自分の課題とのつながりを考えやすくなります。

まとめ

営業課題解決では、困りごとを聞いた瞬間に解決策を出さず、現状、欲求、今の取り組み、直面の順に聞いてください。次の商談では、提案前に『それで望む状態に近づけそうですか』と一問置き、お客様自身の言葉から解決策へ進みましょう。

応援しています。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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