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オンライン営業は画面共有前の沈黙で相手を待つ

画面越しの説明を急がない商談姿勢

オンライン営業では、沈黙が対面より長く感じられます。画面の向こうで相手が考えているだけなのに、音が途切れたように感じ、営業側が急いで説明を足してしまうことがあります。

画面共有をすぐ開き、資料を見せ、機能や手順を一気に話すと、商談は便利に進んでいるように見えます。けれど、相手の表情やうなずきが小さいオンラインでは、相手が追いついているかどうかを見落としやすいです。

オンライン営業のコツは、画面共有を早く出すことではなく、相手が考える沈黙を待てる状態を作ることです。

沈黙を埋めずに一呼吸置くと、相手の本当の迷いが画面越しでも出やすくなります。

この記事では、オンライン商談で説明に急がず、声、目線、画面共有、沈黙の待ち方を整える方法を扱います。

画面越しで増える説明量

オンライン営業で説明量が増える理由は、相手の反応が見えにくいからです。対面なら、姿勢、手元、目線、息づかいから考えている様子が見えます。オンラインではそれが小さくなります。

反応が見えにくいと、営業側は不安になります。聞こえていますか、分かりますかと何度も確認したり、沈黙の途中で補足を足したりします。親切のつもりでも、相手の考える時間を切ってしまうことがあります。

また、画面共有は便利ですが、早すぎると相手の顔を見る時間が減ります。資料に集中すると、相手がどこで迷ったかを見逃します。オンラインでは、資料を見せる前に相手の言葉を聞く時間を意識して作る必要があります。

オンライン営業は、対面より説明を増やす場ではありません。対面以上に、相手が話す余白をこちらが守る場です。

画面共有前の一問

画面共有をはじめる前に、一問だけ聞きます。今日、画面で一番確認したいのは流れですか、費用ですか、それとも使う場面ですか。この一問があると、相手は資料を見る目的をもてます。

目的がないまま資料を見せると、相手は読みながら聞くことになります。画面上の文字、営業側の声、自分の不安が同時に走るため、考えがまとまりにくくなります。

先に目的を聞けば、共有するページも絞れます。費用が気になる相手には料金表の前に比較の前提を聞きます。使う場面が気になる相手には、実際の利用手順から見ます。

画面共有は説明の開始ではなく、相手が見たい場所を確認した後に出す道具です。

声と目線の小さな差

オンライン営業では、声と目線の差が商談の印象を変えます。声が少し速くなるだけで、相手は急かされているように感じます。画面の資料ばかり見て話すと、相手は自分に話しかけられている感覚をもちにくくなります。

声は大きさより輪郭です。語尾をぼかさず、短い文で止めます。相手の返事を待つ前に、次の文をかぶせないようにします。オンラインでは一瞬の重なりでも、相手が話しにくくなります。

目線はカメラだけを見続ける必要はありません。ただ、質問する時と相手の答えを受け取る時は、資料ではなく相手の顔を見る時間を作ります。画面越しでも、聞く姿勢は伝わります。

オンラインでは、上手に話すより、相手が返事を入れやすい声の間を作る方が大事です。

録画で見る沈黙の違い

Cさん(法人向けサービスを扱う一人社長)は、オンライン商談を録画で見直すまで、自分がどこで話しすぎているかに気づいていませんでした。本人の感覚では、沈黙を助けるために補足しているつもりでした。

録画では、相手が料金ページを見た直後に目線を下げ、数秒だけ黙っていました。その間にCさんは導入事例をもう一つ出し、割引条件を話し、次のページへ進んでいました。

見直しで分かったのは、沈黙そのものより、沈黙の直後に営業側が何をしたかでした。相手が考えている時間に説明を重ねると、相手は自分の疑問を言う前に、また聞く側へ戻ります。

そこでCさんは、録画を見る時の確認点を三つに絞りました。相手の目線が落ちた場所、営業側が次の説明を出した秒数、相手が自分の言葉を出した回数です。

この見方に変えてから、Cさんは沈黙をすぐ失敗と扱わなくなりました。相手の止まり方を観察し、資料を進めるか、画面を止めるか、短く確認するかを選べるようになりました。

オンライン商談では、沈黙を消すより、沈黙の直後に営業側が何をしたかを見直す方が改善につながります。

共有を止める判断

オンライン営業では、画面共有を止める判断も必要です。共有したまま話し続けると、相手の顔が小さくなり、表情を見にくくなります。相手が迷っていそうな時は、一度共有を止めてもよいです。

共有を止める時は、突然画面を閉じるのではなく、いったん資料を閉じて、今のところだけ言葉で確認してもよいですか、と伝えます。相手は資料を読む負担から離れ、自分の考えを話しやすくなります。

資料は、相手の考えを助けるために使います。相手が考えている途中で資料を進めると、画面は便利でも商談は浅くなります。

画面共有を止める一瞬は、相手の考えを聞き直すための大事な間です。

画面外に出る小さな合図

オンライン商談では、相手の合図が画面の外に出ることもあります。手元で資料を探している、家族や同僚の声に反応している、別の画面を見ている。こちらからは全部見えませんが、返事の間や目線の動きで気づけることがあります。

その合図を見た時に、すぐ注意したり説明を強めたりしないことです。いま別の資料を見られていましたか。社内の確認と照らし合わせておられますか。こう聞くと、相手は今見ていたものを話しやすくなります。

画面外の動きは、集中していない証拠とは限りません。むしろ、相手が自分の判断材料を探している時間かもしれません。営業側がそこを待てると、相手はオンラインでも急かされていないと感じます。

見えない部分を決めつけず、いま何を確認されていましたかと聞く。この小さな確認が、オンライン営業の押しつけ感を減らします。

私がオンライン商談のロープレを見る時も、話す内容よりこの合図を見ます。相手役が目線を落とした瞬間に営業側が説明を足すのか、それとも少し待って何を見ていたのかを聞くのか。ここで、商談の印象はかなり変わります。

相手が画面外の資料を見ているなら、その資料を否定しないでください。そちらと比べると、いま気になるのは費用ですか、使う手順ですか、と聞きます。比較している材料を責めないことで、相手は本音を話しやすくなります。

実際に沈黙を待てた商談では、相手が社内チャットを確認していたことが分かりました。営業側が説明を足していたら、相手は確認を中断して、また聞く姿勢に戻っていたはずです。待ったことで、社内の反応も含めて話せる時間になりました。

オンラインでは、こちらの熱量が画面越しに強く出ることがあります。だからこそ、相手が別のものを見た時ほど声を少し落とし、確認の質問を短くします。相手の視線を奪い返すのではなく、相手が見ている材料を商談の中へ戻す感覚です。

この姿勢は、資料を減らすこととは違います。資料は必要な時に開けばよいのです。先に相手の目線と沈黙を見てから開くと、同じ資料でも押しつけではなく、相手の確認を助ける道具になります。

沈黙を待つ秒数

沈黙を待つといっても、長く黙り続ける必要はありません。まずは3秒です。質問した後に、心の中で3つ数えます。オンラインでは通信のわずかな遅れもあるため、対面より少し長く待つくらいでちょうどよいです。

3秒待っても返事がない時は、質問を小さくします。いま迷っているのは費用ですか、進め方ですか。画面のどの部分が気になりましたか。このように、答えやすい大きさへ変えます。

ここで、分かりにくかったですよね、と営業側が決めつけないことも大事です。相手は分かっていないのではなく、判断材料を探しているだけかもしれません。決めつけず、何で止まったのかを聞きます。

沈黙を待てると、オンライン商談の焦りは少し下がります。話す量ではなく、相手が考えている場所を見ようとするからです。

商談後二分の見直し

オンライン商談は録画やメモを残しやすいので、商談後二分だけ見直す習慣を作れます。全部を反省する必要はありません。見る場所を決めておくことが大事です。

一つ目は、画面共有を出す前に相手の目的を聞けたか。二つ目は、相手が黙った後に何秒待てたか。三つ目は、共有を止めて相手の言葉を聞く場面があったか。この三つだけで、次回の改善点はかなり見えます。

商談後に、今日は話しすぎた、相手の反応が薄かった、と大きく反省しても次に直しにくいです。画面共有前、沈黙後、共有停止の三か所に分けると、次に変える行動が具体的になります。

オンライン営業は、移動がなく便利です。その便利さに頼りすぎると、商談は早く進んでいるように見えて、相手の納得だけが追いつきません。だからこそ、商談後の二分で、相手が考える時間を自分が守れたかを確認します。

画面越しの改善は、話し方を大きく変えることからではなく、待てた場所を一つ増やすことから始まります。

営業Q&A

オンライン商談で沈黙が続くと気まずい時はどうすればよいですか?

相手が黙ると通信トラブルか、興味がないのかと不安になり、つい説明を足してしまいます。

回答

まず3秒待ってください。その後、いま止まったのは金額、使い方、社内説明のどれに近いですか、と小さく聞きます。沈黙を理解不足と決めつけず、相手が何を考えているかを確認する時間にすると、説明を足しすぎずにすみます。

待てた場所を増やすオンライン営業

オンライン営業は、画面共有を早く進めるほど良いわけではありません。共有前に目的を聞き、声の間を作り、沈黙を3秒待ち、必要なら画面を止めて相手の迷いを確認することです。

商談後に見るのは、うまく話せたかどうかだけではありません。相手が黙った時に待てた場所、画面外の合図を決めつけなかった場所、資料を閉じて相手の言葉を聞けた場所です。

その場所が一つ増えるだけで、オンライン商談は説明の速さではなく、相手の考える速度に合わせた時間へ変わります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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