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営業で興味ないと言われたら理由を一つだけ聞く

断り文句にすぐ返さない入口

営業で「今は興味ないです」と言われると、多くの人はすぐ切り返したくなります。資料だけでも、短時間だけでも、他社でも好評です、と続けたくなる場面です。

佐藤誠さん(仮名、法人向け空調保守サービスの営業担当者)も、初回訪問で同じ失敗をしていました。担当者から関心がないと告げられた瞬間、佐藤さんは保守費用の安さを説明しました。

担当者は資料を受け取りましたが、面談はそこで終わりました。佐藤さんは断り文句に負けたと思っていましたが、実際には相手が興味を失った理由を聞く前に説明を足していました。

営業で興味ないと言われたら、反論する前に理由を一つだけ聞きます。 興味がないという言葉は、拒絶の壁に見えます。けれど、その中身は時期、担当範囲、過去の失敗、費用感などに分かれます。

この記事では、興味ないと言われた場面で、売り込みに見えない聞き返し方を解説します。断りの理由を、相手が話せる形にします。

この記事は、次のような営業場面に役立ちます。

  • 興味ないと言われると急いで説明してしまう方
  • 反論対処を強い切り返しだと感じて苦手な方
  • 断られた後も関係を切らず次の会話につなげたい方

興味ないの中身

興味ないという言葉だけを聞くと、相手は商品に関心がないように見えます。ただ、商談の現場では、相手が本当に言いたいことが別にある場面もあります。

たとえば、いま予算を見る時期ではない。前の業者で嫌な経験をした。担当者は困っているけれど上司に説明しにくい。こうした背景を、相手は短い断り文句にまとめることがあります。

佐藤さんが最初に直したのは、言い返す速度でした。断り文句の直後に話しはじめると、相手はまた売られると感じます。まず一呼吸置き、相手の言葉を受けます。

急ぎすぎる三つの癖

興味ないと言われた時に失敗しやすい癖は三つです。資料の説明を足すこと、実績を並べること、相手の判断を早く変えようとする癖です。

資料の説明を足すと、相手の言葉が置き去りになります。実績を並べると、目の前の担当者の事情より、営業側の証明が前に出ます。判断を早く変えようとすると、相手は身構えます。

反論対処で見る場所は、相手が短くまとめた理由を聞けるかどうかです。 佐藤さんは、この三つを商談後に確認しました。

一つだけ聞く返し方

佐藤さんは次の訪問で、担当者から関心が薄いと伝えられました。そこで「承知しました。過去の保守契約で気になる点が残っていますか」と聞きました。

担当者は、時期の問題もあるが前回の保守契約で対応が遅かったと答えました。佐藤さんは「対応が遅かったのですね」と短く受けました。ここで初めて、過去の不安が話題の中心になりました。

聞く内容は一つで十分です。時期なのか、過去の経験なのか、担当範囲なのか。選択肢を増やしすぎると、相手は答えにくくなります。

一つだけ聞くと、相手は断り文句を守りながら理由を話せます。

共感から褒めへの順番

反論対処では、共感、褒め、提案の順番を崩さないことが大切です。佐藤さんは相手の不安を短く受けた後、「そこを覚えておられるのは、社内で同じ失敗を避けたいからですよね」と伝えました。

この褒め方は、相手の警戒を仕事上の判断として尊重する言い方です。相手は「そうです。前回は現場からかなり言われました」と話しました。

その後で、佐藤さんは保守の説明をしました。説明の中心は、連絡を受けてから一次回答までの流れです。相手の不安に合わせて説明を絞ったため、売り込みの圧が下がりました。

切り返しの言葉の違い

次の表は、佐藤さんが変えた返し方です。強い言葉で押さず、相手の理由を聞く形にします。

急いだ返し 理由を聞く返し
資料だけでも見てください 避けたい条件を時間と費用に分けて聞く
他社でも評価されています 以前に似た話で困ったことがありましたか
短時間で説明します 今いちばん避けたいのは時間ですか費用ですか

ロープレで確かめる一往復

佐藤さんは、訪問前に一往復だけ声に出しました。相手役が関心の薄さを伝え、佐藤さんは「承知しました。社内で確認するなら、どなたの不安が残りそうですか」と聞きます。

相手役が設備担当者の不安を理由に出したら、佐藤さんは「設備担当の方が対応速度を気にされているのですね」と受けます。ここで説明を入れず、相手が困った場面をもう一つ聞く練習にしました。

本番で使う言葉を長く作る必要はありません。断りを受ける一文、理由を聞く一文、相手の答えを短く受ける一文。この三つだけを練習します。

説明に入る前の許可

理由が出た後も、すぐ説明をはじめると押し返しに見えます。佐藤さんは「その不安に関係する部分だけ、確認してもよろしいですか」と聞きました。

担当者がうなずいてから、佐藤さんは一次回答の流れだけを見せました。全体資料を開かなかったので、相手も聞きたい部分に集中できました。

説明は、相手が話した理由に関係する部分だけに絞ります。 興味ないという断りを受けた直後ほど、営業側の話す量を減らす方が相手は答えやすくなります。

次回連絡の作り方

商談の最後に、佐藤さんは次の約束を急ぎませんでした。「今日は対応の遅さが気になっている点だけ分かりました。次に確認するなら、一次回答の時間だけでよいですか」と聞きました。

担当者は「そこだけなら社内で聞けます」と答えました。佐藤さんは、次回の連絡を一次回答の時間確認にしました。

興味ないと言われた後は、相手が次に確認してもよい一点を決めます。そこまで進めば、断り文句は次回の確認点を見つける入口になります。

断り後に守る距離感

興味ないと言った相手に、何度も理由を聞くと負担になります。佐藤さんは、一つ聞いて答えが出なければそこで止めました。相手が「本当に今は考えていません」と言った時は、「承知しました。また点検時期が近づいたらご挨拶します」と伝えます。

営業では、断りを壊そうとする発想を手放します。相手が話せる範囲を尊重しながら、必要なら次の確認点を一つもらいます。

この距離感があるから、次に連絡した時も相手は身構えにくくなります。佐藤さんも、以前より短い会話で相手の事情を聞けるようになりました。

社内説明に使える理由

興味ないという返答の中から理由が一つ出ると、相手の社内説明も変わります。佐藤さんは、前回の保守契約で対応が遅かったという話を、次回の確認材料にしました。

次のメールでは、保守サービス全体の紹介を書きませんでした。「前回は、対応が遅かった点を伺いました。今回は一次回答の時間だけ確認します」と短く伝えました。

担当者は、営業メールを社内に転送する時も説明しやすくなります。以前困った対応速度を確かめる話として受け取れるからです。

この違いは小さく見えて、商談では大きな差になります。相手が断り文句の中で出した理由を使うと、営業側の都合で再訪する印象が弱まります。

佐藤さんは、次回訪問の冒頭でも同じ理由から入りました。「前回は対応が遅かった点が気になると伺いました」と伝えると、担当者は「そこだけ確認したいです」と答えました。ここまで来ると、興味の有無を争わず、具体的な不安を一緒に確認できます。

その後の商談で、佐藤さんは点検時期、一次回答、現場連絡の三項目を順番に聞きました。相手が話した不安と関係しない性能説明は入れません。相手は「現場連絡が早いなら、いまの業者と比べられます」と答えました。

ここで佐藤さんは、競合を悪く言いませんでした。「比べる時に、先に見たいのは現場連絡ですね」と受け、次回までに連絡の流れを一枚にまとめる約束だけをしました。興味ないという入口から、相手自身が比べる条件を話すところまで進んだのです。

断り文句を受けた商談ほど、最後の約束を小さくします。契約日や見積提出日を急がず、相手が確認してもよい理由を一つ選びます。佐藤さんの場合は、一次回答の時間でした。これなら相手も社内で聞きやすく、次の連絡に意味が出ます。

佐藤さんは、商談後の振り返りでも勝ち負けを見ませんでした。見るのは、興味ないという言葉の後に、相手が理由を一つ話したかどうかです。理由が出なければ、次回は聞き方を軽くします。理由が出たなら、その理由に関係する確認だけを準備します。

この見方に変えてから、佐藤さんの商談は落ち着きました。断られた瞬間に焦って話す時間が減り、相手の言葉を受けて次の一問を選べるようになりました。

営業Q&A

興味ないと言われたらすぐ引いた方がよいですか?

相手の迷惑になりたくないけれど、理由も分からないまま終わる場面です。

回答

一度だけ理由を聞いて構いません。「いま一番避けたいのは費用ですか、時間ですか」のように、相手が答えやすい一文にします。答えが出なければ、そこで切り上げましょう。

切り返しで実績を出すのは避けるべきですか?

信頼を作りたい気持ちから実績紹介を急ぎたくなる場面です。

回答

最初に出すと押し返しに見えます。相手が話した理由に関係する実績だけを、許可をもらってから短く出すと、説明が相手の不安とつながります。

次回に聞く理由の選び方

営業で興味ないと言われた時の受け方を解説しました。断り文句をすぐ変えようとせず、時期、過去の経験、担当範囲のどれが近いかを一つだけ聞くと、会話が続きやすくなります。

  • 興味ないの中にある理由の違い
  • 共感、褒め、提案の順番
  • 次回確認につなげる一つの聞き方

次に同じ断りを受けたら、説明を足す前に「以前の対応で、まだ気になる点がありますか」と一つだけ聞いてください。返答が出たら、その理由に関係する部分だけを短く確認しましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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