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介護用品営業は試用前の家族不安を分けて聞く

試用前の迷いを分ける介護用品営業

介護用品営業では、商品の機能を丁寧に説明しても、家族の表情が晴れないことがあります。手すりの形、ベッドの高さ、車いすの扱いやすさを伝えても、相手は別のことを考えている場合があります。

それは、商品が悪いからではありません。家の中で本当に使えるのか、本人が嫌がらないか、介護する家族の負担が増えないか、ケアマネジャーや親族へどう説明するかが整理できていないのです。

介護用品営業は、機能説明の前に、本人、家族、家の中で起きる不安を分けて聞くことが必要です。

試用前の不安を分けると、提案は商品選びではなく、暮らしの中で使える形を一緒に探す時間になります。

この記事では、介護用品営業で価格や機能の比較だけに寄らず、家族が判断しやすくなる聞き方を扱います。

試用前に重なる三つの不安

介護用品の商談では、不安が一つに見えて複数に分かれています。一つ目は、本人が使ってくれるかどうかです。使いやすい商品でも、本人が抵抗を感じれば家に置かれたままになることがあります。

二つ目は、介護する家族の負担です。移乗が楽になるはずの商品でも、置き場所、掃除、組み立て、使うタイミングが分からないと、かえって手間に感じられます。

三つ目は、周囲への説明です。親族に費用を話す必要がある。ケアマネジャーと相談したい。本人の前でどこまで必要性を伝えるか迷う。こうした説明の不安が、購入やレンタルの判断を止めます。

営業側がこの三つを分けずに、便利です、安全です、と説明すると、相手は自分の不安をどこで話せばよいか分かりません。先に不安を分けるだけで、商談の空気は落ち着きます。

家の中で使う場面

介護用品は、カタログ上の機能だけで選ぶものではありません。玄関、廊下、寝室、トイレ、浴室という実際の場所で使われます。だから商談では、商品の説明より先に、どこで困っているかを聞きます。

最近一番大変だった移動はどこでしたか。夜に不安になる場所はありますか。ご本人が嫌がりそうなのは、見た目、置き場所、使う時の声かけのどれでしょうか。こうした質問なら、家族は実際の場面を思い出して答えやすくなります。

使う場所が見えると、提案する商品も絞れます。浴室で怖さがあるなら、滑りにくさや立ち上がりを中心に話します。寝室なら、起き上がりや介助する人の腰への負担を見ます。

介護用品営業では、商品名から入るより、家の中で困った一場面を聞く方が判断材料が集まります。

迷いを分ける判断枝

介護用品を提案する時は、相手の迷いを枝分かれで見ます。本人の納得、家族の負担、費用、置き場所、説明相手。このうち、今いちばん重たいものはどれかを聞きます。

本人の納得が重たいなら、商品を使う目的を本人の言葉に寄せます。転ばないためです、だけでは受け入れにくいことがあります。夜に安心してトイレへ行けるように、という言い方なら、生活の場面として伝わりやすくなります。

家族の負担が重たいなら、介助する人の動きを確認します。誰が、いつ、どの動作で手伝うのか。ここを聞かずに機能だけ説明すると、実際の使い方が見えません。

費用が重たいなら、金額そのものより、何と比べて高いと感じているのかを聞きます。短期間の試用で判断したいのか、長く使う前提で安心したいのかで、話す順番は変わります。

迷いを一つにまとめず枝分かれで聞くと、家族は何を決めればよいか見えやすくなります。

家族別に残す確認材料

Bさん(介護用品を扱う一人社長)の面談を振り返った時、止まっていたのは商品比較ではありませんでした。家族の中で、見る場所がそろっていなかったのです。

同居している娘さんは、夜のトイレ移動を心配していました。別居している息子さんは、費用と置き場所を気にしていました。本人は、家の中にいかにも介護用品らしいものが増えることを嫌がっていました。

この状態で手すりの種類を説明しても、誰の不安に答えているのかが曖昧になります。Bさんは説明順を変え、商談後に残す確認材料を家族別に分けました。

本人には、何を楽にする道具なのか。介護する家族には、どの動作の負担を減らすのか。別居家族には、費用だけでなく試用で何を判断するのか。ケアマネジャーには、生活動線のどこに不安が残っているのか。

実際にこの現場で変えました、とBさんが後で話していたのは、商品の説明量ではなく確認の分け方でした。家族の反応も、便利そうですねという受け身の返事から、それなら母には夜の移動として伝えられそうです、という具体的な言葉に変わりました。

この分け方にすると、家族は同じ商品を見ながら別々の不安を話せます。全員を同じ説明で納得させようとせず、それぞれの判断材料をそろえることが、介護用品営業の役割になります。

介護用品営業では、家族を一つの相手として扱わず、本人、介助者、別居家族、専門職ごとに判断材料を分けます。

試用前に残す観察条件

価格の話に入る前に、試用で何を観察するかを決めます。どの場所で、誰が、何日くらい使えば判断できそうか。この三つが見えていないと、金額だけで高いか安いかを考えることになります。

試用条件は細かくしすぎません。まず、本人が嫌がらず触れるか。次に、介助する人が一人で扱えるか。最後に、置き場所が生活の邪魔にならないか。この三つを見るだけでも、判断はしやすくなります。

ここで注意したいのは、試用を契約への圧にしないことです。使ってみれば分かります、と押すのではなく、試してみて不安が残る場所を一緒に確認しましょうと伝えます。

試用前に見る条件が決まっていれば、相手は何を確かめればよいか分かります。営業側も、後日フォローで使い心地を漠然と聞くのではなく、決めた場所だけを確認できます。

本人へ伝える言葉

介護用品の商談では、本人へ伝える言葉も大事です。家族が必要だと思っていても、本人が自尊心を傷つけられたと感じると、使う前から拒否されます。

営業側は、危ないから使いましょうという言い方だけを勧めない方がよいです。危ないと言われると、本人は自分ができなくなったと言われたように受け取ることがあります。

代わりに、夜に安心して動けるように、立ち上がる時に腕の力を使いやすいように、家族が手を貸す前にご本人が自分で動けるように、と生活の目的へ寄せます。

介護用品の価値は、できないことを示すためではなく、本人が安心して動く時間を増やすために伝えます。

この言葉が整うと、家族も説明しやすくなります。営業側は商品を売る人ではなく、家族が伝えにくい言葉を一緒に整える人になります。

試用後の確認範囲

試用後の確認では、使ったかどうかだけを聞かないことです。使えましたか、と聞くと、相手は良いか悪いかで答えます。必要なのは、どの場面で助かったか、どの場面でまだ不安があったかです。

たとえば、夜の移動では安心できたが、昼間は置き場所が気になった。本人は触ってくれたが、家族が声をかけるタイミングに迷った。このような答えが出ると、次に見る場所が分かります。

試用後のフォローは、売り込みの再開ではありません。暮らしの中で使える条件を一緒に確かめる時間です。相手がまだ迷っているなら、無理に決めず、どの不安を解けば前へ進めるかを聞きます。

介護用品営業では、本人、家族、家の中、説明相手の四つを同時に見ます。ここを分けて聞けると、商品説明は短くても、相手の判断は深くなります。

関係者へ共有する一文

介護用品の判断では、家族だけで決めきれない場面があります。ケアマネジャー、別居している親族、同居している家族、それぞれが気にする場所が違うからです。営業側は、誰に何を共有すると判断しやすいかを聞きます。

共有する一文は、商品の名前ではなく、暮らしの困りごとから作ります。夜の移動で本人も家族も不安があるため、まず寝室からトイレまでの動きを試したい。この一文なら、関係者は何を確認する話か分かります。

関係者が多いほど、話は費用と機能に寄りやすくなります。だからこそ、最初に見た生活場面を短く言葉にします。本人の安心、介助する人の負担、家の中の置き場所。この三つのうち、今回どこを先に見るのかを共有します。

営業側がこの一文を一緒に整えると、家族は次の相談をしやすくなります。売り込みの資料を渡すより、判断の理由を普通の言葉で渡す方が、介護用品営業では信頼につながります。

もし家族の中で意見が割れているなら、誰が正しいかを決める前に、心配している場面を分けます。本人の気持ちを心配している人、費用を心配している人、家の中の動線を心配している人では、必要な確認が違います。営業側がその違いを言葉にできると、家族会議の材料が整います。

介護用品営業で避けたいのは、便利さだけを強く見せることです。便利でも、本人が嫌がれば使われません。安全でも、家族が扱いにくければ続きません。だから、関係者へ共有する一文には、誰がどの場面で安心できるのかを入れておきます。

この一文は、商談後の電話やメールでも役立ちます。商品名だけを送ると、受け取った家族は価格や大きさから見始めます。ところが、夜間の移動を減らすための確認です、と添えると、見るべき場所が変わります。

営業Q&A

介護用品の機能を先に説明しないと比較してもらえないのでは?

性能や安全性を伝えないと、他の商品との違いが分かってもらえない気がします。

回答

機能説明は必要です。ただし、先に使う場面と不安を聞いてください。本人が嫌がるのか、家族の負担が不安なのか、置き場所が気になるのかで、説明すべき機能は変わります。相手の生活場面が見えてから説明すると、比較ではなく判断の材料になります。

暮らしに戻せる判断材料

介護用品営業で先に扱うのは、商品の機能差だけではありません。本人が使ってくれるか、家族が扱えるか、家の中で邪魔にならないか、誰に説明しにくいかを分けて聞くことです。

商談後に相手の手元へ残したいのは、商品を勧められた記憶ではなく、家の中で何を試せばよいかが分かる判断材料です。本人、介助者、別居家族、専門職の見方を分けておくと、家族の相談は感情論だけで止まりにくくなります。

価格表を出す前に、試用で見る場所、使う人、共有する相手を短く整えてください。そこまでできると、介護用品の提案は購入を迫る話ではなく、暮らしへ戻して考える話になります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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