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求人広告営業は掲載前の採用不安を分けて聞く


掲載前の採用不安をほどく求人広告営業

「応募は来ますか」と聞かれた時だけが、求人広告営業の勝負ではありません。採用担当者の迷いは、応募数の前後にもあります。現場が会いたい人に会えるのか、面接まで進むのか、上司に費用の理由を話せるのかという迷いです。

掲載枠、料金、期間を丁寧に並べても、相手の中に前回の採用失敗が残っていれば判断は重くなります。過去に応募は来たのに面接へ進まなかった記憶があると、同じことが起きるのではないかと考えます。

だから商談の入口では、媒体の特徴を広げる前に、採用担当者が社内で説明しにくい場所を聞きます。応募数、選考、上司説明を分けると、相手が怖がっている場面が見えてきます。

求人広告営業は、掲載商品を売る前に、採用担当者が判断へ進めない理由を言葉にする仕事です。この記事では、掲載前の採用不安を分け、価格比較で止まらない聞き方を扱います。

掲載前に止まる採用不安

求人広告の商談では、相手が前向きに見えても、掲載直前で止まることがあります。理由は、求人広告そのものが悪いからではありません。掲載後に起きる出来事を、相手がまだ具体的に想像できていないからです。

たとえば、応募が少なかったらどう説明するのか。応募が多くても条件に合わない人ばかりだったらどうするのか。現場責任者が面接時間を取れなかったら、誰が調整するのか。こうした不安は、料金表には出てきません。

営業側が、今ならこの枠がおすすめです、掲載期間はこのくらいです、と先に説明すると、相手は費用対効果の話へ入りやすくなります。けれど、その前に採用活動のどこで止まりやすいのかを聞く必要があります。

入口の質問は、前回の採用で一番手間がかかったのは、応募を集めるところですか、面接へ進めるところですか、採用後の定着を見るところですか、のように分けます。

この聞き方なら、相手は掲載するかどうかの前に、自社の採用で引っかかっている場所を話しやすくなります。

応募数だけで進めない入口

求人広告営業でやりがちなことは、応募数の期待だけを前面に出すことです。もちろん応募数は大事です。応募がなければ採用の入口が作れません。ただ、相手が本当に怖がっているのは、数だけではない場合があります。

過去に応募は来たけれど、面接前に辞退された会社もあります。条件をよく読まずに応募した人が多く、現場が疲れてしまった会社もあります。上司から、結局どの人が採れたのかと聞かれて説明に困った担当者もいます。

だから、応募数の話をする前に、相手が何をもって成功と感じるのかを確認します。応募が何件来ることなのか、面接に何人進むことなのか、現場がこの人なら会いたいと言える人が来ることなのか。成功の見方が違えば、提案の言葉も変わります。

求人広告営業では、応募数を約束する前に、採用担当者が成功と感じる場面を聞きます。

数字の話は、相手が見たい結果を言葉にしてから扱う方が伝わりやすいです。

この順番にすると、求人広告の説明は媒体の自慢ではなく、相手の採用判断に合わせた整理になります。

不安が分かれる三つの枝

求人広告の不安は、大きく三つに分かれます。応募の不安、選考の不安、社内説明の不安です。この三つを混ぜたまま話すと、相手は何が解決されるのか分からなくなります。

応募の不安では、誰に届くのか、仕事内容が伝わるのか、条件が厳しすぎないかを聞きます。選考の不安では、面接する人、日程調整、現場の受け入れ体制を聞きます。社内説明の不安では、費用、掲載理由、採用できなかった場合の振り返り方を聞きます。

ここで大事なのは、相手の会社を評価しないことです。採用がうまくいっていないですね、と言う必要はありません。前回どこが一番大変でしたか、と聞けば、相手は事実を話しやすくなります。

不安が応募にあるなら、求人原稿の見せ方より先に、どんな人に来てほしいのかを一緒に確認します。選考にあるなら、面接までの流れを整えます。社内説明にあるなら、上司へ伝えやすい判断軸をそろえます。

同じ求人広告でも、相手の不安の枝によって、営業側が扱う順番は変わります。

採用担当者の言葉で変わった提案

Bさん(求人広告を扱う一人社長)は、商談で掲載プラン、料金、期間、オプションを丁寧に説明していました。相手は資料を見ながら聞いていましたが、最後には社内で相談しますという返事になり、そこから止まることが多くありました。

そこで、最初の質問を変えました。求人広告の説明に入る前に、前回の採用で一番困った場面を聞くようにしたのです。

営業側: 前回の採用で一番手間がかかったのは、応募を集めるところでしたか。それとも面接へ進めるところでしたか。

相手: 面接へ進めるところですね。応募は来たのですが、現場が会いたい人と少しずれていました。

営業側: そこなのですね。では今日は、掲載枠より先に、現場が会いたいと感じる条件の言葉を確認しましょう。

このやり取りで、提案の中心は掲載枠から、現場が会いたい人をどう言葉にするかへ変わりました。相手は、上司へも説明しやすくなったと言いました。

後日の確認で相手は、応募数の話だけだと社内では前回との違いを説明しにくい、現場が会いたい人の条件まで書けるなら上司へ持っていきやすい、と話しました。Bさんはその言葉を提案書の冒頭に置き、媒体の特徴は条件を伝える手段として示しました。

相手の言葉を先に聞くと、求人広告の提案は媒体説明ではなく採用判断の整理になります。

社内説明に使いやすい比較軸

求人広告営業で相手が社内相談に入る時、営業側が渡すべきものは長い説明ではありません。上司や現場に伝えやすい比較軸です。

比較軸は、応募数、応募者の近さ、面接までの進みやすさ、採用後の負担の4つに分けます。この4つがあると、相手は単に安いか高いかではなく、何を重視して掲載するのかを話せます。

たとえば、今回は応募数より、現場が会いたい人に近いかを重視します。今回は短期で集めるより、面接日程まで進めやすい条件を出します。このような言葉があれば、社内説明はしやすくなります。

社内説明に必要なのは、営業側の熱量ではなく、担当者がそのまま話せる判断軸です。

比較軸をそろえる時も、営業側だけで決めないでください。上司に一番聞かれそうなのは、費用ですか、応募の質ですか、現場の手間ですか、と聞きます。相手が答えた軸から提案を組み立てます。

掲載後フォローの約束

求人広告営業は、掲載したら終わりではありません。掲載後に応募が来た時、面接へ進んだ時、現場から反応が返ってきた時に、何を見るかまで約束しておくと信頼につながります。

掲載前に、最初の確認日を決めます。応募数を見る日なのか、応募者の内容を見る日なのか、面接設定の進み具合を見る日なのか。ここを決めずに掲載すると、後から結果だけを見て良い悪いの話になりやすいです。

フォローで聞くことも、営業側の感想ではなく相手の変化です。応募者を見て、現場の反応はどうでしたか。面接につなげる時に、どこで手間が出ましたか。上司へ説明する時に、どの数字が必要でしたか。

この確認があると、採用できた場合も、できなかった場合も、次に直す場所が見えます。求人広告は一回ごとの勝ち負けではなく、採用活動の見方を整える機会にもなります。

営業側が掲載後の確認まで見ていると、相手は売りっぱなしにされていないと感じます。ここで信頼が残ると、次回の採用相談も話しやすくなります。

掲載後の最初の確認では、相手を責める言い方にしないことも大事です。応募が少ないですね、ではなく、最初の反応から見ると、仕事内容の伝わり方と条件の見せ方のどちらを先に直すとよさそうですか、と聞きます。採用担当者が次の手を考えやすい聞き方にすると、掲載後のフォローも売り込みではなく一緒に整える時間になります。

判断前にそろえる一枚

商談の最後には、判断前にそろえる一枚を作るつもりで話をまとめます。ここでいう一枚は、きれいな資料という意味ではありません。相手が今日話した不安と、次に見る数字を一緒に置いた確認表です。

確認表には、募集したい職種、来てほしい人の条件、前回困った場面、掲載後に最初に見る日、社内で聞かれそうな質問を入れます。項目は多くしすぎません。相手が上司や現場へ説明する時に、話の筋が通ることを優先します。

この一枚を一緒に作ると、営業側も説明を足しすぎずにすみます。相手が話した言葉がそのまま提案の骨になります。

注意したいのは、求人広告の良さを全部入れようとしないことです。今日の相手が怖がっている場所に関係ない説明は、後回しでよいです。応募が不安な相手には応募の入口、現場が不安な相手には面接前のすり合わせ、社内説明が不安な相手には判断軸を厚くします。

求人広告営業は、掲載商品を売る仕事に見えます。けれど、実際の商談では、採用担当者が上司と現場の間で迷う言葉を整える仕事でもあります。

相手が言った不安を扱い、掲載後の確認まで決める。この順番があると、商談は価格比較だけで終わりにくくなります。

掲載前に不安と確認日をそろえると、求人広告営業は採用担当者の判断を支える商談になります。

営業Q&A

求人広告の説明を先にしないと価値が伝わらないのでは?

媒体の特徴や掲載枠を説明しないと、他社との違いが分かってもらえない気がします。

回答

説明は必要ですが、順番を後にしてください。先に前回の採用で困った場面を聞くと、どの特徴を説明すべきかが見えます。相手が応募数に困っているのか、面接前に止まっているのか、社内説明に困っているのかで、伝える価値は変わります。

求人広告営業で先に聞く採用不安

求人広告営業で先に扱うのは、掲載枠の違いではなく、採用担当者が前回どこで困ったかです。応募数、選考、社内説明を分けて聞くと、提案書に載せるべき言葉が変わります。

掲載後の確認日まで決まっていれば、相手は掲載するかどうかだけでなく、何を見て判断するかを持ち帰れます。価格比較から抜ける入口は、媒体説明の前に採用不安を言葉にすることです。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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