営業の話し方が気になる一人社長へ|しゃべらなくていい質問話法の3つのコツ

営業の話し方が気になる一人社長へ|しゃべらなくていい質問話法の3つのコツ

お客様に笑顔で質問している一人社長の営業シーン

「話し方が上手くないと、営業では売れないのではないか」と感じていませんか?営業は「いかに上手く話すか」より「いかに話してもらうか」が大切なのです。この記事では、しゃべることが苦手な一人社長でも実践できる、質問を軸にした話し方の3つのコツを解説します。最後までご覧ください。

こんな人におすすめの記事です。

  • 話し方が上手くないと売れないと思っている一人社長
  • 商談で何を話せばいいか分からなくなる方
  • 口下手でも成果を出したいと考えている方

これから一つひとつ見ていきましょう。

「上手く話す」より「上手く聞く」が大切な理由

多くの一人社長が、「営業では流暢にしゃべれなければならない」という思い込みをもっています。しかし私が22年間、1,000人以上の営業相談に関わってきた経験から断言できます。流暢に話せる必要はまったくありません。

お客様は「聞いてほしい」のです。自分の悩みや望みを、じっくり話せる相手を求めています。営業マンが一方的に商品説明をしても、お客様の心は動きません。自分で考え、自分の口で言葉にしたことに、人は動かされるのです。

理想の会話配分は「お客様が8割、営業マンが2割」です。あなたがしゃべるのは全体の2割でいい。残りの8割はお客様に話してもらう。そのために必要なのは話術ではなく、「質問の技術」なのです。

コミュニケーションに苦手意識を感じる方は約60%にのぼるというデータがあります。口下手・話しベタを自認する方は珍しくありません。しかし質問を軸にした話し方を身につければ、話が苦手なことが逆に強みになります。お客様の話をじっくり聞ける繊細さは、営業の最大の武器です。

お客様の話をうなずきながら聞いている笑顔の一人社長

質問話法の3つのコツ

では、具体的にどのように話せばよいのでしょうか。次の3つのコツを実践してみましょう。

コツ① お客様の話が「8割」になるよう質問から入る

商談の場でまず意識してほしいのは、「自分がしゃべりすぎていないか」という点です。

話し方が気になる方ほど、「何かしゃべらなければ」という焦りから言葉が多くなりがちです。しかし、その言葉は多くの場合、商品の説明になってしまいます。説明をすればするほど、お客様は「売り込まれている」と感じます。

逆に、質問から入ると話の主導権はお客様に移ります。「今、どのようなことでお困りですか?」「現在の状況を教えていただけますか?」と聞くだけで、お客様が自分の口で課題を語りはじめます。課題を自分で語ると、解決策への関心も自然と高まっていくのです。

「どうせ自分は話し下手だから」と思っている方こそ、このコツが効きます。なぜなら、話し下手な方は「余計なことを言わない」という強みをもっているからです。余計な説明をしなければ、お客様は自由に話せます。

コツ② 共感の言葉から入ってから質問する

質問に入る前に、共感を先に示すことが大切です。

お客様が何か話してくださったとき、最初にするのは反論でも提案でもありません。「なるほど、そうなのですね」「それは大変でしたね」と、相手の言葉をまず受け取ることです。

好意を示す→質問する→共感するという流れで、信頼関係は深まっていきます。共感が積み重なると、お客様はより本音を話してくれるようになります。そして本音が聞き出せると、本当に必要な提案ができるようになります。

私が相談に来た一人社長のCさんに「共感の言葉をひとつ増やすだけ試してみてください」とお願いしたことがあります。翌月、Cさんは「お客様が今まで話してくれなかったことを話してくれた」と喜んで報告してくれました。たったひと言の共感が、商談の空気を変えたのです。

「そうなのですね」「それは大変でしたね」「なるほど、おっしゃる通りですね」――この3つの共感フレーズを商談に取り入れるだけで、お客様の話す量が増えます。

コツ③ 深掘り3ワードで話を引き出す

お客様が話しはじめたら、次に深掘りしていきます。使うのはたった3つの言葉です。

  • 「たとえば?」 → お客様の話を具体的にする
  • 「なぜ?」 → お客様の動機・背景を掘り下げる
  • 「ということは?」 → お客様自身に結論を出してもらう

この3ワードを使うだけで、お客様は自分の欲求を自覚し、課題を認識し、解決策を自ら見つけていきます。あなたは答えを言わなくていいのです。質問して、お客様が自分で気づくのをサポートするだけです。

「たとえば、具体的にはどのような場面でそのお困りが起きていますか?」「なぜそのことが一番気になっているのでしょうか?」「ということは、今後はどのようにしていきたいとお考えですか?」――このように展開するだけで、商談の深さがまったく変わります。

特別な話し方は必要ありません。この3ワードを繰り返すだけで、お客様は「この人はよく分かってくれる」と感じてくれます。

声・表情・うなずきで印象を整える

話し方には、言葉だけでなく非言語の要素も大きく影響します。次の3点を意識するだけで、相手に与える印象が変わります。

  • 声のトーン:ゆっくり、やや落ち着いたトーンが信頼感を生む。早口になるほど「売り込まれている」感が出やすい
  • 表情:口角を少し上げるだけで、お客様が話しやすい雰囲気が生まれる。緊張した表情はお客様にも緊張を与える
  • うなずき:あご→首→腰の順で深くうなずくと、「ちゃんと聞いていますよ」という安心感が伝わる

これらは練習で身につくスキルです。鏡の前で表情の練習をしたり、声を録音して自分の話し方を確認したりすることが、話し方の向上につながります。

話し方の上手さより、「この人は自分の話をちゃんと聞いてくれる」という安心感を届けることが、営業では何より大切です。

営業Q&A

●質問 商談中に何を話せばいいか分からなくなります

WEBデザイン業の一人社長です。商談の場で話が途切れると、何を話せばいいか分からなくなってしまいます。結果として商品の説明ばかりしてしまい、お客様の反応が薄くなることがよくあります。話し方を改善するにはどうすればよいでしょうか?

● 回答

商談で何を話せばいいか分からなくなる、そのご経験はよく聞きます。

ポイントは3つあると思います。

  1. 「何を話すか」ではなく「何を聞くか」を事前に準備する
  2. 沈黙を埋めようとせず、少し待つ
  3. 深掘り3ワードを使いこなす

話が途切れると焦って説明に走るのは自然な反応です。しかし、そのときこそ質問のチャンスです。「今、お客様にとって最も課題になっていることは何でしょうか?」と聞けば、お客様が話しはじめます。

沈黙は、お客様が考えている時間です。無理に埋めようとせず、少し待つ。この「待つ勇気」が、お客様の本音を引き出します。商談前には「何を話すか」ではなく「どんな順番で何を聞くか」を準備しましょう。質問のリストをメモしておくだけで、話が途切れても焦らなくなります。

話せないことは弱みではありません。聞く力を磨けば、それがあなただけの営業の強みになります。

次の商談が楽しみになってきませんか。

まとめ

営業の話し方が気になる一人社長のために、しゃべらなくていい質問話法の3つのコツを解説しました。いかがでしたか?話し方の本質が掴めたはずです。
今日から、「何を話すか」より「何を聞くか」を意識しましょう

  • お客様の話が8割になるよう質問から入る
  • 共感の言葉を先に出してから深掘りする
  • たとえば?/なぜ?/ということは?の3ワードを使う

話し方の悩みは、場数を踏むごとに薄くなります。
まずは次の商談で「聞く回数」を「話す回数」より多くすることを目標にしてみてください。
一歩ずつでいいんです。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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