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営業で嫌われる不安は説明前の沈黙で軽くする


嫌われる不安を小さくする聞く姿勢

営業で嫌われるのが怖いと、商談の前から体が固くなります。断られるより、相手に面倒だと思われることの方がつらい。そう感じて、説明を急いだり、逆に何も言えなくなったりする人は少なくありません。

嫌われたくない気持ちは、優しさでもあります。ただ、その優しさが強く出すぎると、相手の反応を確かめる前にこちらが引いてしまいます。

営業で嫌われる不安を軽くするには、好かれようとするより、説明前に一呼吸置いて相手の状態を聞きます。

嫌われる営業は強く押す人だけではありません。相手の準備を見ずに話しはじめる人も、知らないうちに負担をかけています。

ここでは、嫌われる不安が強い一人社長が、商談で押しすぎず、引きすぎず、相手が話しやすい位置をつくる考え方をまとめます。

嫌われる不安の正体

嫌われるのが怖い時、人は相手の表情を見すぎます。少し目線が外れただけで退屈しているのではないかと考え、返事が短いだけで拒否されたように感じます。

その結果、商談中の行動が極端になります。嫌われないように早く説明を終えようとする。相手の沈黙を埋めようとして話しすぎる。断られる前に自分から提案を弱める。この3つが起きやすいです。

けれど、相手の表情が変わった理由は一つではありません。単純に考えているだけかもしれませんし、別の予定を思い出しただけかもしれません。こちらが嫌われたと決めつけるほど、商談の事実が見えにくくなります。

逆転営業では、相手の反応を怖がる前に、何を感じているのかを質問で確かめます。説明で好かれようとするのではなく、相手の状態を知ろうとする姿勢に戻るのです。

商談で損する三つの言動

嫌われたくない人ほど、実は相手に負担をかける言動をしてしまうことがあります。一つ目は、最初から役に立つ話を急いで出すことです。親切なつもりでも、相手がまだ困りごとを言葉にしていない段階では、売り込みに見えます。

二つ目は、沈黙を悪いものとして扱うことです。相手が考えている時間まで営業側が埋めると、相手は自分の考えをまとめにくくなります。沈黙が長いから嫌われたのではなく、相手が比較している途中かもしれません。

三つ目は、相手の短い返事を拒否と決めることです。はい、そうですね、なるほど、という返事だけで会話を終わらせると、まだ聞ける場所まで閉じてしまいます。

嫌われない営業を目指すなら、相手の反応を評価する前に、質問をもう一つだけ重ねます。

説明を減らすことは、提案を弱めることではありません。相手が考える余白を守ることです。

現場で見えた説明前の一呼吸

私が営業相談の現場で見てきた中でも、嫌われる不安が強い人は、相手を大切にしたい気持ちをもっています。問題は、その気持ちが説明の速さに変わってしまうことです。

Aさん(研修業の一人社長)は、初回相談で相手が少し黙ると、すぐに自分の実績や講座内容を足していました。相手はうなずいていましたが、質問は増えませんでした。

そこで、説明を足す前に一呼吸だけ置く練習をしました。相手が黙ったら、すぐ話さずに、次のように聞くのです。

営業側: いま少し考えられたのは、内容のことですか。それとも社内で進める時のことですか。

相手: 社内で進める時ですね。上司にどう説明するかが少し気になりました。

営業側: そこですね。では講座内容を増やすより、上司の方に伝えやすい言葉を先に整理しましょう。

この一呼吸で、商談は営業側の説明から、相手が言いにくかった不安の確認へ変わりました。

嫌われる不安が出た時ほど、話を足すのではなく、相手が何を考えているかを一つだけ分けて聞きます。

押す前に置く短い確認

嫌われる営業に見えるかどうかは、提案の強さだけで決まりません。提案の前に、相手の準備ができているかを見ているかで変わります。

使いやすい確認は、短い二択です。いま気になっているのは費用のことですか。それとも使う場面のことですか。今日決めるかどうかより、まず何を確かめたいですか。こう聞くと、相手は答えやすくなります。

二択にする理由は、相手を誘導するためではありません。漠然とした不安を、相手が言葉にしやすい大きさへ小さくするためです。

相手が費用と言ったなら、すぐ値引きへ行かず、何と比べているのかを聞きます。使う場面と言ったなら、実際に使う人、時間帯、手順を聞きます。

この確認があると、営業側の提案は押しつけではなく、相手の言葉に合わせた整理になります。

沈黙を待つ練習

嫌われる不安が強い人にとって、沈黙は怖いものです。けれど、沈黙を全部埋めると、相手の考える時間まで奪ってしまいます。

練習では、相手が答えた後に心の中で3つ数えます。3秒だけ待つと、相手がもう一言足すことがあります。そこで出る言葉は、営業側が話し続けていたら聞けなかった本音です。

待つ時は、無表情で固まる必要はありません。軽くうなずき、相手の言葉を受け止めている表情を作ります。表情は大げさでなくてよいですが、相手が話してもよいと感じる反応は必要です。

沈黙を待つことは、相手を放置することではなく、相手が自分の考えを見つける時間を渡すことです。

一人で練習するなら、質問を声に出した後に3秒黙るだけでも変わります。自分が待てない癖に気づくと、本番でも焦りにくくなります。

相手の言葉へ合わせる返し

嫌われたくない気持ちが強いと、相手の言葉より自分の言い訳が先に出ます。そうですよね、でもこれは違うのです、と返したくなる場面です。

そこで使うのは、相手の言葉を短く返す方法です。社内説明が気になるのですね。使う人の負担が心配なのですね。価格そのものより、続けられるかが気になるのですね。このように、相手の言葉へ合わせます。

短く返した後に質問を一つ置くと、会話は落ち着きます。社内説明が気になるのですね。誰に説明する時が一番引っかかりそうですか。こう聞けば、提案の材料が見えてきます。

営業側が正しさを急ぐと、相手は説得されているように感じます。相手の言葉へ合わせてから聞くと、こちらは一緒に考える人として見られます。

嫌われる不安がゼロになることはないかもしれません。それでも、説明前の一呼吸、短い二択、3秒の沈黙、相手の言葉を返す。この順番をもっておくと、商談での怖さは小さくなります。

好かれようとする営業より、相手が話しやすい余白を守る営業の方が信頼されます。

次回に見る合図

説明前の一呼吸を入れたら、次回の商談で見る合図も一つ決めておきます。売れたかどうかだけを見ると、嫌われる不安はまた強くなります。まずは相手の言葉が増えたか、返事の長さが変わったか、質問が相手から出たかを見ます。

たとえば、相手が自分から社内説明の相手を言ったなら、話しやすさは少し上がっています。相手が費用の話だけでなく使う場面を話したなら、比較軸が広がっています。こうした変化を見てください。

反対に、相手が前より早く黙ったなら、確認の言葉が大きすぎた可能性があります。どこが不安ですかでは答えにくくても、費用と進め方ならどちらが気になりますかなら答えられることがあります。

嫌われる不安がある人ほど、相手の合図を全部悪く受け取りがちです。だからこそ、商談前に良い合図と見直す合図を決めておきます。良い合図は相手の言葉が増えること。見直す合図は返事が短くなることです。

この見方に変えると、商談後の反省も具体的になります。相手が話しやすかったか。説明を足す前に聞けたか。沈黙を待てたか。見る場所が決まれば、自分責めに流れにくくなります。

営業で嫌われる不安は、性格だけで消えるものではありません。次に見る合図を決め、相手の反応を事実として確認することで少しずつ小さくなります。

商談前の準備でも、資料の順番より先に見る合図を一つ書いておくと役に立ちます。今日は相手が自分の事情を一文でも長く話したら前進、返事が短く続くなら質問を小さくする。この程度で十分です。

合図を決めておくと、商談中に嫌われたかどうかを考え続けずにすみます。相手を評価するのではなく、自分の聞き方が相手にとって答えやすい大きさだったかを見られるからです。

この準備があるだけで、説明へ逃げる癖は減ります。怖くなった時に戻る場所が、好かれるか嫌われるかではなく、相手の言葉が増えているかどうかになるためです。

商談が終わったら、見た合図を一つだけ振り返ります。相手の言葉が増えたなら同じ聞き方を残し、短くなったなら質問をさらに小さくします。

怖さが強い日は、商談前のメモに一行だけ戻る言葉を書いておきます。今日は売る前に相手の一言を待つ。この一行があると、沈黙の途中で焦って説明を足しすぎる動きを止めやすくなります。

次回に見る合図を一つ決めると、怖さではなく観察で商談を振り返れます。

営業Q&A

嫌われないように提案を弱くした方がよいですか?

強く言うと押し売りに見えそうで、最後の提案まで遠慮してしまいます。

回答

提案を弱くする必要はありません。弱めるのではなく、提案前に相手の不安を一つ聞いてください。相手の言葉を受け止めてから提案すれば、同じ内容でも押しつけに見えにくくなります。

嫌われる不安を小さくする一呼吸

営業で嫌われるのが怖い時は、うまく好かれようとするより、説明前に一呼吸置いて相手の状態を聞いてください。短い確認、3秒の沈黙、相手の言葉を返す順番を決めると、商談は怖さではなく相手を知る時間に変わります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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