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商談準備で話す順番を決めすぎず相手の本音を聞き出す確認術


台本より相手の言葉を優先する準備

商談準備をまじめにする一人社長ほど、当日の話す順番を細かく決めすぎることがあります。自己紹介、実績、サービス説明、料金、事例、クロージング。準備した流れを守ろうとするほど、相手の言葉が入る余白が小さくなります。

準備は大切です。ただし、準備の目的は自分が話し切ることではありません。お客様の現状、欲求、課題を聞き、相手が自分で判断できる状態を作ることです。

逆転営業では、商談は後出しジャンケンです。相手の話を聞く前から提案の順番を決めきると、相手が出した手を見ないまま自分の手を出すことになります。

この記事では、商談準備で話す順番を決めすぎず、相手の本音を聞き出す確認術を解説します。準備したのに商談中に噛み合わない方は、台本ではなく質問の準備へ戻してみましょう。

次のような一人社長に向けた内容です。

  • 商談前に話す順番を細かく作り込みすぎる方
  • 資料説明を始めると相手の本音を聞き逃しやすい方
  • 準備をしながらも商談中に自然に深掘りしたい方

準備しすぎで消える余白

商談準備で台本を作ると、安心感があります。何から話せばよいか迷わず、沈黙も減ります。けれども、台本を守ることが目的になると、相手の言葉を受け取る余白が消えます。

お客様が途中で大事な不安を話しても、次の説明へ進んでしまう。相手が料金より導入後の手間を気にしているのに、予定通り実績紹介を続けてしまう。これでは、準備した分だけ商談が遠回りになります。

商談準備で本当に決めるべきなのは、話す順番ではなく確認する順番です。現状、欲求、課題、解決策。この四つを聞く準備があれば、説明は後から必要な分だけ出せます。

話す内容をゼロにする必要はありません。自己紹介や実績、料金表も必要です。ただし、それらは台本ではなく、相手の言葉に合わせて出すカードとして持っておきます。

準備は自分が安心するためだけでなく、相手が話しやすくなるために使うものです。この視点があると、商談の入口が変わります。

商談前に作る三つの確認

最初に聞く現状

最初に準備するのは、相手の現状を聞く質問です。今どうなっているのか、何に困っているのかを聞かずに提案へ進むと、説明は自分都合になります。

『今はどのような流れで進めていますか』や『最近一番止まりやすい場面はどこですか』のように、相手が話しやすい質問を用意します。

現状質問は、商談の地図です。地図がないままサービス説明を始めると、相手にとって必要な場所へ進めません。

深掘りする合図

次に準備するのは、深掘りする合図です。お客様が少し気になる言葉を出した時、どう聞き返すかを決めておきます。

『たとえば、どんな場面ですか』『なぜそこが気になりますか』『ということは、今一番避けたいのは何でしょうか』の三つを使います。

この三つがあると、予定した説明へ急がず、相手の本音に近づけます。商談準備では、話す台詞より聞き返す台詞を用意しましょう。

提案を出す条件

最後に準備するのは、提案を出す条件です。何を聞けたら提案に進むのかを決めます。現状だけでなく、欲求と課題が見えてから出すのが基本です。

『今後どうしたいか』『何が止めているか』が出ていないうちは、提案を急がないと決めておきます。

提案を出す条件があると、商談中に焦りにくくなります。まだ聞けていないなら、説明ではなく質問へ戻ればよいからです。

台本型との違い

止まりやすい進め方 前に進みやすい進め方
自己紹介から料金まで順番を固定する 現状、欲求、課題を聞けたかで順番を変える
話す内容を暗記して安心する 聞き返す質問を準備して余白を残す
提案タイミングを時間で決める 相手の判断材料がそろったかで決める

台本型の商談準備は、営業側に安心をくれます。ただし、お客様にとっては自分の話が反映されにくい時間になることがあります。

質問型の準備では、説明の順番を固定しません。相手が何に困っているか、何を望んでいるか、何が止めているかを聞き、その答えに合わせて資料を使います。

同じ資料でも、出す順番が変わるだけで印象は変わります。相手が導入後の手間を気にしているなら、料金より先に運用の流れを見せる方が自然です。

商談前の準備軸

商談前の準備は、五つの確認軸で十分です。相手の業種、想定される現状質問、深掘り質問、使うかもしれない資料、次回確認。この五つを先に決めます。

ここで資料の説明文を長く書かないでください。説明台本が長いほど、当日その通りに話したくなります。資料は番号だけでよいです。『料金表』『事例A』『導入手順』のようにカード化します。

現状質問は三つまでに絞ります。多すぎると尋問のようになります。まずは相手が話しやすい入口を一つ選び、答えに応じて『たとえば』で深掘りします。

営業側: 今日は最初に、今の進め方を少し聞いてもよいですか。お客様: はい。営業側: ありがとうございます。今は問い合わせが来た後、どのような流れで対応されていますか。

この会話では、資料に入る前に現状を聞いています。相手が『返信が遅れることがあります』と言ったら、次は『たとえば、どのタイミングで遅れやすいですか』と深掘りします。

その答えを聞いてから、初めて関係する資料を出します。相手の言葉に合う資料だけを出すと、説明は短くても伝わりやすくなります

準備段階では、聞けなかった時の戻り先も決めておきます。現状が聞けなければ最近の流れへ戻る、欲求が出なければ今後避けたい状態を聞く、課題が曖昧なら具体的な場面を聞く。この戻り先があると、沈黙を怖がって資料説明へ逃げにくくなります。

また、準備を詰め込みすぎない余白は必ず残してください。余白がないと、当日聞いた言葉より準備した順番を優先してしまいます。相手が実際に使った表現をその場で受け止める余白があるだけで、提案前のまとめが相手目線になります。

本音を逃さない聞き返し

商談中に本音が出る時は、きれいな言葉とは限りません。なんとなく不安です、前に失敗しました、今は忙しいです、社内が動きません。こうした言葉を流さない準備が必要です。

本音らしい言葉が出たら、すぐ説明で埋めないでください。『たとえば、どの部分が不安ですか』と聞き返します。相手が考える時間を少し待つことも大切です。

なぜを使う時は、責める口調にしないでください。『なぜそう思うのですか』より、『そう感じる理由は、どのあたりにありそうですか』と柔らかく聞く方が話しやすくなります。

ということは、は相手の結論を整理する時に使います。『ということは、今一番避けたいのは、導入後に社内が使わなくなることですね』と返すと、相手は自分の不安を確認できます。

本音を聞く準備とは、特別な質問を増やすことではありません。相手の言葉を止めず、具体化し、理由を聞き、結論を一緒に整理することです。

商談準備でこの聞き返しを持っていると、予定外の話が出ても慌てません。台本から外れたのではなく、お客様の本音に近づいたと考えられます。

提案へ進む合図

提案へ進む合図は、相手の現状、欲求、課題がつながった時です。今こうなっている、今後こうしたい、でもここが止まっている。この三つが見えたら、提案の入口ができます。

まだ欲求が見えていない時に提案すると、相手は聞く理由を持てません。課題が見えていない時に解決策を出すと、押しつけに見えます。

提案前には、一度相手の言葉をまとめます。『今のお話をまとめると、問い合わせは来ているけれど初回返信が遅れ、相談前に温度が下がることが課題ですね』のように戻します。

相手が『そうです』と言ったら、提案に進みます。ここで初めて『それでしたら、この部分がお役に立てそうです』と出せます。後出しジャンケンの順番です。

もし相手が首をかしげたら、提案へ進む合図はまだ出ていません。まとめ方が違うのか、まだ聞けていない事情があるのかを確認します。ここで押し切ると、準備した提案が外れます。

『少し違います』と言われた時は、失敗ではありません。むしろ本音に近づく入口です。『どの部分が違いますか』と聞き直せば、相手は自分の考えを修正しながら話してくれます。

商談準備は、提案を早く出すためではありません。提案を出してよい状態を見極めるためにあります。

次の商談では、話す順番表を作る前に、現状、欲求、課題を聞く質問を一つずつ書いてください。その三つがあるだけで、準備は台本からお役立ちの地図に変わります。

商談準備で迷う場面

商談準備で資料はどこまで作ればよいですか?

回答

全部説明する前提ではなく、相手の言葉に合わせて出せるカードとして用意します。料金、事例、導入手順など役割ごとに分けましょう。

台本がないと商談中に不安になります

回答

話す台本ではなく、聞く順番を用意します。現状、欲求、課題、解決策の順番があれば、予定外の話にも戻れます。

いつ提案に入ればよいですか?

回答

相手の現状、今後どうしたいか、何が止めているかが見えた時です。そこが見える前は、説明より質問を続けます。

本音を聞く準備の要点

  • 商談準備は話す順番ではなく確認する順番を作ること
  • たとえば、なぜ、ということはで相手の本音を深掘りすること
  • 現状、欲求、課題がつながってから提案へ進むこと

次の商談前には、話す台本の前に現状、欲求、課題を聞く質問を一つずつ書いてください。相手の言葉に合わせて資料を出せるようになると、商談準備は説明の準備からお役立ちの準備へ変わります。

応援しています。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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